自分が何者かわからなかった――独立から3年、個を確立した西内まりやの「気張りすぎない」生き方
気にならなくなったネットの声
他の参加者にない積極果敢な行動で、西内は出演を勝ち取った。一方で、これまでとは全く異なるキャラクターを演じれば、既存のファンが離れる危険性もある。そんな恐れを抱かなかったのか。 「自分の中で、ファンという概念も変わったのかもしれない。以前は『私についてきてほしい』という感覚があったんですけど、今はなくなった。見てくださる方も自分も、同じ立ち位置だなって。それに、誰だって人生観や好きな人は変化していくのに、『ずっと私を応援してね』っておかしいなと。だから、その時々で共鳴し合える方たちと楽しめたらいい。一瞬でも私の表現で背中を押せたり、力になれたらいいなって。もちろん、今の自分に異を唱えたい方もいるはず。それは当たり前だと思っています」 エゴサーチをしては落ち込んでいた過去と決別し、現在は泰然自若としている。独立後の穏やかな時間で、個を確立したからだ。 「以前は自分で自分を理解していないから、全ての投稿やコメントが心にグサグサと入ってきて、『私ってこういう人間だったのか』と真に受けていました。今は全然気にならない。表に出れば、良いことも悪いことも言われますからね。意見を書いてくださることはありがたい。ただ、匿名だと心に響いてこないですね」
報道に対して否定も肯定もする必要はない
芸能人には毀誉褒貶がついて回る。独立前後、さまざまな報道があった。独立直前から現在に至るまで、西内はほとんどインタビューを受け付けていない。これまでの自身についての報道をどう思っているのだろうか。 「この仕事をするうえで、何かしらの報道はつきものです。ただ、その中には事実でないことが、まるで事実かのように世に出てしまうことがある。仕方ないと思いながらも、やはり残念に思います」 そう話し始めると、まっすぐに前を向き、腹を据えた。 「そういう報道に対して、言葉で説明したり、否定も肯定もしたりする必要はないと思っていて。(事実かどうかは)今後の自分の在り方で自然と伝わるだろうなって。今は情報が錯綜する中で何が正しいか、ひとり一人が判断して生きていかなきゃいけない。何を信じるかは、その人次第。私は自分の気持ちに素直に、後悔しない生き方をする。それしかできない」 質問から逃げることもできた。だが、西内まりやは悩みながら、本気でぶつかってきてくれた。