米挑戦失敗、クラブ契約フリーで“心機一転” 神谷そらが目指す宮崎行き「リコーが1年の最後ならベスト」
<大王製紙エリエールレディス 3日目◇16日◇エリエールゴルフクラブ松山(愛媛県)◇6575ヤード・パー71> 政田夢乃と三ヶ島かなが楽しそうに“ヒソヒソ話”【写真】 メルセデス・ランキング(MR)42位から今季最終戦「JLPGAツアー選手権 リコーカップ」(21~24日、宮崎カントリークラブ)の出場を目指す神谷そらは「68」で回り、伸ばし合いのなか、トータル9アンダーの15位と踏ん張った。パー5の11番では残り237ヤードの2打目をピン右6メートルに乗せて、今季8個目のイーグルを奪取。「チャンスは少なかったし、ピンチもあったけど、昨日までと同じくパッティングが良かった。まあまあかな」と3日連続の60台に及第点をつけた。 ルーキーイヤーだった昨季は4月の「フジサンケイレディス」でツアー初優勝を果たすと、9月には国内メジャー「日本女子プロ選手権コニカミノルタ杯」を制した。だが、今季は左足首痛に長らく苦しめられたこともあって、開幕戦「ダイキンオーキッドレディス」の4位が最高。優勝者とMR上位ら出場者が40人に限定されるリコーカップに出場するには、今大会の単独7位以上が最低条件となる。 「リコーで1年の最後を迎えられたらベスト。でも、正直無理かなと思う。今年はケガに悩まされた1年。良くなったと思ったら、また痛くなる。そんなことを8月の半ばまで、4回くらい繰り返しました」 来年の米ツアー挑戦を決意し、10月には2次予選会(Qシリーズ)に挑んだ。結果は138位と惨敗。「打ちすぎて、やられるだけやられた。逆にすっきりして日本に帰って来ました」。初挑戦は失敗に終わったが、海外志向が高まるなか、「どこでも対応できるように」とクラブ契約をフリーにしたのも、そのころだった。今週のセッティングはドライバーがキャロウェイの『パラダイムAiスモーク トリプルダイヤ』で、それ以外はこれまで契約を結んでいたヤマハだが、「いろいろテストして、自分に合うものを探しています」という。 試行錯誤を繰り返しながらもシードは守った。そして、リコーカップもまだ手を伸ばせば届く位置にいる。第3ラウンド終了時の仮想MRは41位。「最終日も自分のゴルフに集中したい。今年はいろいろあったけど、やるべきことをやり切るだけ。その結果、リコーがついてくれば…」。最初は半ば白旗ムードも、最後は力強く前を向いた。残り18ホール。もちろん、まだギブアップはしない。(文・臼杵孝志)