響き合う芸妓の舞 金沢おどり、23日千秋楽 祇園甲部が出演
●三茶屋街の華、京の雅 金沢市の石川県立音楽堂邦楽ホールで開催中の第21回金沢おどり(同実行委員会、一般財団法人県芸術文化協会、北國新聞社主催)は3日目の22日、京都五花街の一つ、祇園甲部(ぎおんこうぶ)の芸舞妓(げいまいこ)が出演した。ひがし、にし、主計(かずえ)町(まち)の三茶屋街の芸妓(げいこ)衆の華やかな舞踊絵巻と、京の芸舞妓による雅(みやび)な舞が響き合い、満場の来場者が特別な花舞台に酔いしれた。 【写真】金沢の「お座敷太鼓」で魅了した三茶屋街の芸妓衆 幕開けは金沢芸妓による素囃子(すばやし)「風流船揃(ふなぞろえ)」。精進を重ねた囃子で和のオーケストラを奏でた。 続く祇園甲部の上方唄「東山名所」では小松市出身の芸妓・紗友美さんら芸舞妓8人、地方・笛6人が出演。京舞井上流の格調高い舞が注目を集めた。 初めて地元の舞台に立った紗友美さんは「本当に緊張した。金沢で舞を見せられてうれしい」と充実の表情を見せ、母の早松美紀さん(56)は「見守る方も緊張した。素晴らしい舞でよかった」と語った。 舞踊絵巻「寄加能賑芸妓舞(よせつどうかのうのにぎわいはなのまい)」では金沢芸妓が能登の風景を表現し、観客が地震や豪雨に襲われた能登に心を寄せた。ベテラン名妓(めいぎ)の舞台では「待ってました」の声が飛び、金沢の「お座敷太鼓」、総おどり「金沢風雅」で締めくくった。 京都五花街の芸舞妓が鑑賞に訪れ、宮川町の舞妓とし倖(こう)さんは「すごく豪華できれいな舞台。流派の違う踊りが見られて勉強になった」と話した。 祇園甲部の出演は石川県と京都府の文化振興協定に基づく活動の一環。祇園新地甲部組合取締の杉浦京子さんは能登の被災地を思いやり「土地に根付く伝統芸能、芸の力が心に響いてくれたらうれしい」と語った。 千秋楽の23日も午後1時と同4時に開演する。当日券はS席(指定)8500円が残りわずか、A席(自由)7500円。チケットは専用電話=070(3965)0540=まで。