サントリー、2025年1月に「ノンアル部」新設
サントリーは、2025年はノンアルコール飲料に注力すると発表した。12月24日に開催された2025年の国内酒類事業方針とビール事業方針に関する説明会の中で、代表取締役社長の鳥井信宏氏が明らかにした。 【画像】新たに「ノンアル部」を設立 同氏は、2025年の戦略として「事業成長を支えるものづくりの進化」「持続的な事業成長を見据えた新たな挑戦」「ビールへの飽くなき挑戦」の3つの方針を掲げることを紹介。 ノンアルコール飲料事業については、新たな挑戦に位置づけられており、これまではビール本部、スピリッツ本部、ワイン本部の各セクションでノンアルコール事業を手掛けてきたが、新たに「ノンアル部」を設立し、分散していたマーケティング機能を集約する。 既存商品のリニューアルに加え、1月7日には機能性表示の新商品として「のんある酒場 レモンサワープラス ノンアルコール」が発売されるが、その後も4月には“新たな需要喚起商品”、秋には“お酒の本格感を追求”した商品が登場する予定。詳細については、2月に発表会を開催してアナウンスするとしている。 発表会では、常務執行役員 ビール本部長の多田寅氏から、ビール事業の2024年の実績と2025年の目標が紹介された。 酒税改正で新ジャンルの税率が上がった影響もあり、販売実績(数量ベース)は、狭義のビールが前年比104%、金麦ブランドが同93%、ビール類全体で同97%となった。オールフリーブランドは同100%、業務用は同105%となっている。 多田氏は、酒税改正で今後もエコノミー(発泡酒+新ジャンル)の比率が縮小する傾向が続くが、それでも缶市場の半分程度は残るとして、2025年は「(狭義の)ビールとエコノミーの両輪」で事業に取り組む方針を示した。 狭義のビールでは、「サントリー生ビール」が645万ケース(162%)と好調で、定番ビールとしてのポジションを確立。2025年も業務用での接点拡大とあわせ、生ビールらしさを訴求することで、さらなる定着を図っていくとする。 プレミアムビールに位置づけられる「ザ・プレミアム・モルツ」については、12月から「The」の文字を新しくし、洗練されたシンプルなデザインで特別感を伝えていく。最上級ブランドとなる「マスターズドリーム」についても、12月下旬からデザインをリニューアルし、商品へのこだわりなどの世界観を伝えたり、飲食店での接点を強化したりすることでブランド力を強化していく。 「金麦」ブランドについては、12月から主力3商品のロゴを刷新。“日常的に家で飲むのに一番ふさわしいビール類”のポジション獲得を目指していく。 また、4月に北海道限定でテスト販売され、10月から全国販売されている「金麦サワー」は、2025年4月に「金麦〈晩酌サワー〉」へと生まれ変わる。多田氏によれば、10月の全国発売以降、“ビール類は1本目だけ”という偏見を打破できる商品として育ってきており、金麦シリーズの第4の柱にするため、サントリー生ビールの発売時並の予算を投入して積極的なプロモーションを行なっていくとしている。
グルメ Watch,編集部:湯野康隆