米誌が「もしイチローが20歳でメジャーに渡っていたら」の仮説を検証
米国のアマチュア野球からメジャーリーグまでを網羅する野球専門誌「ベースボール・アメリカ」が21日、「イチローの特異な才能を祝福する」という見出しで、イチローがもし20歳でメジャーデビューを果たしていた場合の仮説や、すでに殿堂入りしたメジャーの名プレーヤー選手たちとの比較などを試みた。 ベースボール・アメリカ誌は、イチローは、野手として日本からメジャーに渡ったパイオニア的存在であり、イチローの活躍がなければ、松井秀喜が2009年のワールドシリーズでヤンキースの先発メンバーに名前を連ねていなかったかもしれないし、井口資仁(2005年ホワイトソックス)、松井稼頭央(2007年、ロッキーズ)、岩村明憲(2008年レイズ)、青木宣親(2014年 ロイヤルズ)たちがチームの一員としてポストシーズンに進出する重要な役割を担うということもなかったかもしれない、と伝えた。 オリックスで9年プレーしてから海を渡ったイチローは27歳までメジャーでヒットを打ったことがない。通算3000安打達成者のなかで、メジャー初安打が最も遅かったのはウェイド・ボッグスで24歳になる2カ月前だったそうだ。 もしもイチローがオリックスで定位置を獲得した1994年に、メジャーデビューしていたとしたら、どうなっていただろうか、と同紙は疑問を投げかけている。 同紙の取材にメジャーを代表する投手のカブスのジェイク・アリエッタは「実際にイチローが何本のヒットを打ってきたかを考えれば、彼がもし、メジャーリーグだけでプレーしていたとしたら、とんでもない成績になっていたのではないかと思う」と答えた。 同紙は、NPBがメジャーリーグ傘下3Aと同じレベルと見なして、NPBでの1本のヒットが、メジャーでは3/4本と換算して計算すると、イチローの日本での1278本は、メジャーでは959本となると算出。これを現在のイチローのメジャー通算安打数と合計すると、これを上回るのは、ピート・ローズとタイ・カッブしかいないとしている。 イチローが20歳からメジャーリーグでプレーしていたという「パラレルワールド」では、もしかしたら、イチローは今、メジャー通算4000安打達成に迫っているかもしれないとまで同紙は表現している。メジャーリーグのほうがNPBより試合数が多いので、イチローが20歳でメジャーに来てヒットを打っていたと仮定するならば、今頃はピート・ローズのメジャー通算記録を達成していたかもしれないと書いた。