<転スラ>オールスター大集結の前夜祭、フレイ&シュナが“激おこ”な理由とは…
サラリーマン・三上悟がスライムのリムル=テンペスト(CV:岡咲美保)として異世界に転生、さまざまな種族が共に暮らせる理想の国作りに奮闘する「転生したらスライムだった件」(毎週金曜夜11:00-11:30ほか、日本テレビ系ほか/ABEMA・ディズニープラス・FOD・Hulu・Lemino・TVerほかで配信)。2021年以来となるTVアニメシリーズ第3期では、「魔王達の宴(ワルプルギス)」を経て正式に魔王となったリムルの元へ、魔物を敵視する神聖法皇国ルベリオスの聖騎士団長・ヒナタ(CV:沼倉愛美)が訪れる「聖魔対立編」が描かれ、2クール目からは開国祭に向けての「魔都開国編」が描かれている。第67話(第3期19話目)「前夜祭」では、各国の貴賓を招いての前夜祭の様子が描かれた。(以下、ネタバレを含みます) 【写真】サビ抜きの寿司を注文するヒナタがかわいい(ほか、「転スラ」第67話場面写真) ■寿司のサビ抜きで絶妙な表情が可愛いヒナタ 開国祭を翌日に控えたテンペストでは、貴賓客を招いての「前夜祭」が行われ、絶品料理の数々が振舞われる。料理を担当するのはシュナ(CV:千本木彩花)と、イングラシア王国から引き抜いた凄腕のパティシエ・吉田薫(CV:小山剛志)で、貴賓客たちもご満悦な模様。さらに会場には巨大な魚(槍頭鎧魚)が持ち込まれ、ハクロウ(CV:大塚芳忠)による解体ショーののち、寿司バーが開店。魚を生で食べる習慣のない現地人たちが躊躇するなか、リムルやヒナタ、ユウキ(CV:花江夏樹)といった異世界出身組が先陣をきって舌鼓を打つと、やがて多くの客が手に取るようになり、その美味しさが広まっていくのだった。 序盤、「寿司」を巡ってのリムル、ヒナタ、ユウキのやり取りが面白い。ヒナタが「サビ抜き」を注文すると、続けてやってきたユウキは皮肉たっぷりに「僕は子供じゃないのでサビありで」と、サビありを注文。この時のヒナタのちょっと恥ずかしがる表情がなんとも可愛く、ここへきてますます人間味を帯びてきたような気がする。これにはSNSでも「わさび抜きのヒナタ萌えすぎない?」「ヒナタさんすっかりかわいくなっちゃってw」などの声が寄せられていた。またユウキのほうも、ふだんは考えが読めず油断ならない策士ではあるが、この時ばかりは素直に寿司を堪能しているようで、ホッコリする一幕だった。 ■天帝・エルメシアはガゼル以上の実力者? 客人たちが料理を楽しんでいるさなか、テンペストの上空に魔導王朝サリオンの守護竜王が現れたとの伝令が入る。一気に慌ただしくなる会場だったが、それもそのはず、滅多なことでは自国から出ない天帝・エルメシア(CV:金元寿子)本人がやって来たというのだ。ほどなくして会場入りしたエルメシアはリムルに対し、開国祭を楽しみにしていることを告げ、さらにはあとで折り入って話があることを伝え、リムルはこれを了承するのだった。 第61話(第3期13話目)で初登場を果たしたエルメシアが久々の登場。前回は部下のエラルド(CV:浜田賢二)との会話のみで、彼女自身の能力や強さは不明だったが、今回はガゼル・ドワルゴ(CV: 土師孝也)よりも強い「英雄覇気」を纏うなど、実力の片鱗を見せつけた。あの傍若無人なガゼルですら、エルメシアには頭が上がらないというのだから、彼女がいかに大物なのかが伺えるだろう。ちなみエルメシアの種族はエルフで、ガゼルも「あのババア」と言いかけたことから、かなりの高齢であることが予想される。SNSでも「ガゼル王がビビるって相当だよなw」「やっぱり年齢には敏感なのね」などの声があがっていた。 ■怖さと優しさが同居するフレイの魅力が爆発! 続けて会場入りしたのは、魔王であるミリム・ナーヴァ(CV:日高里菜)一行。元魔王のフレイ(CV:大原さやか)やカリオン(CV:内匠靖明)、さらにそれぞれの従者たちもやってきて会場は一気に賑やかに。ところが、リムルがフレイに鳥料理は食べられるかどうかを聞いたことで会場の空気は一変。激怒するフレイに対し、即座に彼女に謝罪することによりことなきを得たのだった。じつはフレイが怒って見せたのは半ば演技であり、リムルの誠実な人間性を目の当たりにしたことで、それがミリムの成長にも繋がっていることを改めて確信したのだった。 ミリム御一行のシーンは、いつもとは違う正装姿のミリムもキュートなのだが、それ以上にフレイの独壇場だった。フレイは以前からミリムのお目付役ではあったものの、ミリムやカリオンが震え上がるほど怖がっていたのは意外で、彼女の怖さが際立っていた。またそれと同時に、彼女の優しさもまた光っていた。ミリムの成長を促すためにリムルを試すなど、主人を想う気持ちは本物で、まさに怖さと優しさが共存したフレイの魅力が爆発したシーンだと言える。ちなみにフレイが「鳥料理」に敏感に反応したのは、彼女の種族が有翼族(ハーピィ)だからで、自分たちが鳥と同格に扱われたことへの抗議と言える。また、このようなセンシティブな問題については一切おちゃらけず、真剣に謝罪したリムルもまた素晴らしい。なにかと失言の多いリムルではあるが、ここぞという時の真摯な対応こそ、彼が周囲から信頼を集める理由なのだろう。 ■シュナ渾身の「料理」と「演説」に貴賓たちも感心しきり 前夜祭もいよいよ佳境へと突入し、会場にはシュナ渾身のフルコース料理が提供される。リムルやシュナのここでの裏ミッションは、ミリムの側近であるミッドレイ(CV:伊丸岡篤)を「料理」で魅了すること。しかし肝心のミッドレイは、食べる前から料理は自然の恵みへの冒涜と言って耳を貸さない。リムルたちが困惑するなか、シュナは静かに怒気を放ちながら、ミッドレイの前に一皿のスープを突き出す。「具材」とは「種族」であるというシュナの言葉と圧に気圧され、ミッドレイがスープを一口飲むと、そのあまりの美味しさに衝撃を受けるのだった。シュナはさらに、国同士の関係をコース料理に例えることで来賓者たちをも感心させるなど、ミッション達成以上の活躍を見せるのだった。 このシーンはシュナの微笑みギレからの名演説がハイライトではあるが、同時にミリムの成長にも注目したい。ミッドレイのあまりに頑固すぎる態度を見かねたミリムは、彼を別室に移動させようかとリムルに提案したのだ。昔のミリムであれば、その場の雰囲気などどこ吹く風だっただろうが、ちゃんとほかの客人たちの気持ちに配慮しているあたり、成長が見て取れる。まだまだ子供らしい言動も目立つミリムだが、やはりフレイの読み通り、リムルのそばにいることが好影響を与えているのかもしれない。いずれにしても今回は、フレイやシュナ、ミリムと、『転スラ』の女性キャラの怖さと優しさが詰まったエピソードだったように思う。さて、最後はリムルの演説もバッチリと決まり、いよいよ開国祭本番がスタート。次回第68話(第3期20話目)「開国祭」は8月30日(金)放送予定。期待して待とう! ■文/岡本大介