「見なければよかった⋯」「ロックのかかったスマホ、どう開く?」家族を困らせる「デジタル遺品」、大迷惑をかけない3大解決ポイント
結婚しても子どもをもたない夫婦、いわゆる「おふたりさま」が増えている。 共働きが多く経済的に豊か、仲よし夫婦が多いなどのメリットはあるものの、一方で「老後に頼れる子どもがいない」という不安や心配がある。 そんな「おふたりさまの老後」の盲点を明らかにし、不安や心配ごとをクリアしようと上梓されたのが『「おふたりさまの老後」は準備が10割』だ。 【ひと目でわかる】「ロックのかかったスマホ」どう開けばいい?迷惑かけない「デジタル終活」の3つのポイントは? 著者は「相続と供養に精通する終活の専門家」として多くの人の終活サポートを経験してきた松尾拓也氏。北海道で墓石店を営むかたわら、行政書士、ファイナンシャル・プランナー、家族信託専門士、相続診断士など、さまざまな資格をもつ。
その松尾氏が、誰もがいずれ直面する「デジタル遺品の扱い」について解説する。 ■誰もがスマホやパソコンに大量のデータを抱えている 自分の死後、残された人の手間を少しでも減らすためにも、身の回りの荷物の整理や片付けは、終活の第一歩ともいえるでしょう。 しかし、遺族を悩ませるのは、大量に残された荷物だけではないのです。 パソコンやスマホ、SNSなどに残された「デジタル遺品(デジタル遺産)」の存在を忘れてはいけません。
最近では「重要なデータはすべてスマホの中にある」という人が増えています。 みなさんのパソコンやスマホの中にも、大量の画像や文書、知人・友人の連絡先など、大切なデータが詰まっているのではないでしょうか? スマホやパソコンは非常にプライベートなツールのため、故人の情報を確認するために、相続人が思わぬ苦労をする……というケースが増えています。 誰もが他人事ではない「デジタル遺品」、うまく管理するには、どうすればよいのでしょうか。
以前は、紙の通帳があり、住所録がありました。 保険会社、証券会社などとのつきあいなどについても、紙の資料があったり、家族であればなんとなく把握していたでしょう。 しかし今は、ネットの中でなんでも完結できてしまう時代です。 通帳のないネット銀行やネット証券などで金融資産を管理するケースが増えているため、口座等の有無を相続人が知らなければ、財産があることすらわかりません。 さまざまなアプリやネット上のサブスクリプションサービスなども、加入している事実を知らなければ、解約や利用停止することができません(引き落とし口座を凍結すれば、自動的に利用停止になるケースがほとんど)。