下敷きで梅システム解説 世界農業遺産、みなべ・田辺の児童に配布
子どもたちが世界農業遺産「みなべ・田辺の梅システム」への理解を深めるきっかけにと、和歌山県みなべ町の農家や森林関係者らでつくる「まちキャンパスプロジェクト」のチームが、梅システムを構成する梅干しや紀州備長炭づくり、ミツバチについて解説する3種類の学習用下敷きを作った。みなべ町と田辺市の全小学校の児童に配布した。 【広がれウバメガシの森 小中学生が苗木植樹、田辺市秋津川の記事はこちら】 梅システムの保全や活用を推進する住民主導の取り組みを応援する、みなべ・田辺地域世界農業遺産推進協議会の補助事業で作った。下敷きの大きさはA4判(縦21センチ、横29・7センチ)。表裏両面に解説がある。子どもに親しんでもらいやすいように、イラストや写真を多く入れた。 梅干しは梅の収穫から塩漬け、天日干し、加工までの流れ、Sから5Lまでの梅干しの大きさなどについて解説。紀州備長炭づくりも、どんぐりから芽が出て木が育ち、伐採して、炭として焼き上がるまでの過程や、どんぐりと葉っぱ当てクイズなどの内容を掲載した。迷路やすごろくも盛り込んでいる。 ミツバチについては、ニホンミツバチとセイヨウミツバチの違い、働きバチの仕事などを紹介。梅システムでは、水の流れも重要であるため、森林などが雨水を吸収し、地下水を補給する水源涵養(かんよう)の仕組みも説明している。 チーム代表でみなべ町の農家、上野章さん(53)は「下敷きが地元の産業に対する学習のきっかけになってくれればと思う。習うより学ぶ、学ぶより伝えるというように、子どもたちが成長していってくれるとうれしい」と話している。 問い合わせは、みなべ・田辺地域世界農業遺産推進協議会事務局のみなべ町うめ課(0739・33・9310)へ。
紀伊民報