「レジャーの延長線上では考えないで」死者相次ぐ危険な"冬の富士山" 遭難事故を防ぐため関係者が対策協議会=静岡・御殿場市
静岡放送
リスクが高い冬の富士山での遭難を防ごうと、静岡県御殿場市で11月19日に対策会議が開かれました。遭難者の救助にあたる警察は「レジャーの延長線上で考えないで」と呼びかけています。 「どう?若い人たち大丈夫?待って待って」 冬の富士山で遭難者の救助にあたっている静岡県警の山岳遭難救助隊のカメラ映像です。登山のプロでも急な突風に襲われ、バランスを崩している様子が分かります。 冬の富士登山は気温が低く、突風が吹くといった気象条件が厳しいほか、山小屋が閉鎖されていて避難場所がないなどの危険を伴います。 <勝又正美 御殿場市長> 「本格的なこれからの冬山シーズンを迎える富士山の遭難事故を未然に防ぐために、それぞれの関係団体から報告をいただきながら意見を交換できれば」 11月19日、冬山シーズンの遭難事故を防ごうと行政関係者をはじめ警察や消防など約30人が対策会議を開きました。 <三島乾児カメラマン>(2024年6月) 「富士山山頂火口内です。いま、行方不明者を山岳救助隊が担架を使い、運び上げています」 2024年6月、3人の遺体が静岡県側の山頂火口で発見されました。見つかった3人のうち、2人は冬山の登山客とみられています。静岡県警の地域課によりますと、県内の山岳遭難における死者数の割合は、遭難者全体のうち夏が3%であるのに対し、冬は全体の17%。その差は約6倍にあたります。 <御殿場警察署地域課 水野栄二課長> 「冬の富士山はリスクが伴うので、レジャーの延長線上では考えないでください。冬期の富士山は特に危険ですので、控えていただくようお願いします」 危険な状況下での「万全な準備をしない」登山は禁止となっていて、警察は注意を呼びかけます。
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