ユビ電、小区画駐車場向けスマートコンセント「WeCharge EDGE」をオムロンと共同開発
ユビ電「WeCharge EDGE」は、従来の充電器に後付けできる
EV充電サービスを展開するユビ電は3月19日、集合住宅の小さな駐車場向けに設置できるスマートコンセント「WeCharge EDGE(ウィチャージエッジ)」を、オムロンと共に発表した。 ◆「インフラを整えることでEVの便利さを享受できる」 この日登壇したユビ電の代表取締役社長を務める山口典男氏によれば、ユビ電はソフトバンクの新規事業制度の中で2019年に立ち上がった会社で、もともとは同氏が10年ほど前からずっと温めてきた構想をユビ電という形でスタートしたものになるという。 山口氏は、「EV普及の糸口として重要なのは充電インフラの整備を進めることにある。それによって中長期的にはEVは伸びていくと考えている」と話し、EVを自ら使っている立場を踏まえ、「インフラを整えることでEVの便利さを享受できる」と強調した。 そして今回、オムロンとの協業により、充電コンセントに後付けすることで10区画以下の駐車場に低コストで設置できる新製品「WeCharge EDGE」を開発。これにより、EVやPHEVに乗る居住者が、スマホ上で操作して充電した分の電気料金を支払い、充電器を使わない人との公平性を保つことが可能になるというわけだ。 発表会の登壇者。左からオムロン 岡孝則 新規事業推進部長、ユビ電 山口典男 代表取締役社長、ユビ電 白石辰郎 COO ◆集合住宅におけるEV充電の課題解決へ 続いて登壇したユビ電のCOOを務める白石辰郎氏は、「実は多くの人がEV充電はEVステーションで行うものと思い込んでいる」と話す。それは、これまで長いこと内燃機関(ICE)車でガソリンスタンドで燃料を補給してきた経緯があるからだ。しかし、「EVオーナーになると充電方法に対する考え方が一変する。充電場所を探すのではなく、自宅の駐車場で充電できればいいのに…と考えるようになる」という。 その理由は自宅で充電する、いわゆる“おうち充電”なら、スマホのように寝ている間に充電が終了するわけで、これにより充電に要する待機時間は体感上ゼロとなる。WeChargeが目指す基礎充電のインフラ整備は、まさにここに狙いがあるわけだ。 しかし、問題となるのが共同(集合)住宅に住んでいる人への対応だ。東京都では約7割、全国的にも約4割が共同住宅に住んでおり、こうした便利さを享受できない状態にある。そこにWeChargeのスマートコンセントの考え方が役に立つ。これはスマートコントローラー経由で提供される充電サービスで、ユビ電ではその考え方を元に1台のEVに対して1つのスマートコンセントを管理組合などに提案してきたという。 スマートコンセントは、一定スペースがある多数区画に適している「分電盤型」である「WeCharge HUB」と、今回新たに省スペースで小数区画に適した「プラグ型」である「WeCharge EDGE」の2タイプを用意。いずれも従量課金に対応しており、使った分だけ時間を気にせず、いつでも自由に充電ができることがポイントとなる。 「WeCharge EDGE」サービスの仕組み 白石氏によればWeCharge EDGEの投入によって集合住宅などへの課題解決を図り、ユビ電として「2027年までに15万口のスマートコンセントを目指す」ことにしているそうだ。 ユビ電「WeCharge EDGE」 ◆「WeCharge EDGE」リリースまでに要した開発期間は10ヶ月 続いてWeCharge EDGEを開発したオムロンの岡孝則 新規事業推進部長が登壇し、製品の概要説明を行った。
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レスポンス 会田肇