「最初は綾波レイ役を受けた」宮村優子 収入が厳しくて始めた声優業で「アスカ役」に大抜擢され変わり出した人生
アニメが世間ではメジャーなものでなく、「オタクっぽい」とされていた時代がありました。『名探偵コナン』の遠山和葉役などを演じる人気声優の宮村優子さんは、その後のアニメをとりまく環境に驚きつつも、声優の魅力について話してくれました。(全4回中の1回) 【写真】「こんな綺麗なママいる?」現在は2児を育てるシングルマザーの宮村優子さん(全9枚)
■短大で演劇を学び俳優を志したんですが… ── 宮村さんが声優になったきっかけを教えてください。 宮村さん:お芝居が好きで、短大では演劇科で勉強をしていました。卒業後の進路を考えたとき、先輩たちのほとんどがどこかの劇団に入団するか、自分たちで劇団を旗揚げしていたんです。私も先輩たちと同じように劇団に所属し、俳優として舞台に立ちたいと思いました。でも、俳優だけだと収入が厳しい場合が多くて…。先輩たちにもナレーションや声優などの仕事をしている人がいて、挑戦したくなりました。私はもともと地声が高くて、いまだったら「アニメ声」と言われる声なんです。子どものころから「声が特徴的」と言われていたから、それを活かそうと役者と並行して声の仕事を始めました。
── 宮村さんは『新世紀エヴァンゲリオン』の惣流・アスカ・ラングレー役で脚光を浴びた印象が強いです。アスカ役に抜擢されたのはどんな経緯があったのでしょうか? 宮村さん:アスカはオーディションで決まりました。当時は声優の仕事を始めてまだ1~2年の新人で、たしか初めて受けたアニメのオーディションが『エヴァ』だったと思います。最初は綾波レイ役を受けたんです。いまでこそ私は、元気で気の強い女の子の役が合うと思われているようですが、本来はすごく引っ込み思案なタイプ。事務所からも、おとなしいと思われていました。オーディションを受けたら、綾波レイはちょっとイメージが違ったみたいで…。急きょ、アスカのセリフを渡されて「これを読んでみてください」と言われました。それでアスカに合格しました。声優の世界では、ある役のオーディションを受けて、別の役に決まるのは声優にはよくあることなんです。