阿部詩を破った女子柔道金メダリスト ケルディヨロワの礼節重んじたふるまいに感動の輪広がる 「これぞ武士道精神!」【パリ五輪】
女子52キロ級で東京五輪に続く金メダル連覇を狙った阿部詩だったが2回戦で第1シード、世界ランク1位のディヨラ・ケルディヨロワ(ウズベキスタン)に谷落としで一本負けして敗退した。 【画像】角田夏実の金メダルや阿部詩の涙、大岩Jのゴールラッシュも…日本勢が見せたパリ五輪の「悲喜こもごも」を厳選フォトでチェック! 東京に続き兄妹同日金メダル獲得を狙ったが、夢は叶わなかった。畳を下りるとその場に崩れ落ち、コーチの胸にしがみつき、大号泣したシーンも大きく話題を集めた。 一方、阿部を破って勝ち進んだケルディヨロワは、その後も圧倒的な強さを示し、決勝では東京五輪金メダリストのディストリア・クラスニチ(コソボ)と激突。背負い投げで技ありを奪うと、優勢勝ちで大一番を押し切った。 ウズベキスタン勢では柔道初の金メダリストと快挙達成ともなった。 一方、試合ではケルディヨロワの表情にも注目が高まった。阿部を鮮やかな谷落としで破った際にも一切表情を変えることはなく、りりしい顔つきのまま。金メダルを獲得すると、ようやく笑みを見せた。 また表彰式後の記者会見では、ライバルの阿部を破っても一切表情を崩さなかった理由も明かされた。 「彼女は(女子柔道界の)レジェンド。オリンピックのチャンピオンであり、世界チャンピオンでもある。尊敬しており、彼女の前で喜ぶことはしたくなかった」と阿部に対し、敬意を示したというのだ。 このケルディヨロワの発言が報じられると、ネット上でも「道である柔道の精神をしっかり体現している」「これぞ、武士道精神!」「サムライ感ある」「柔道家としての佇まい」と好感の声が続々、集まっている。 初出場だった東京五輪では17位、3年のときを経て、頂点に駆け上がった。強く美しい柔道家の名前は日本のファンの間にもしっかり刻まれた。 [文/構成:ココカラネクスト編集部]