三浦春馬さんの最初で最後のSOS 空羽ファティマ
ジョン・レノンの平和活動
そのことで「原点に還ると、見える世界がある」とジョン・レノンのことを思い出した。️ジョンが熱心な平和活動を全てやめて、息子の育児に専念した時、その理由を尋ねた記者に彼は答えた。 【いくら平和活動しても世界は変わらないことに怒りが沸き、“平和を求める僕の心”自身が、平和でなくなり本末転倒だと気付いたからだよ。 イマジン、想像して。もし、君の子どもが戦争に行くと考えたら? “絶対戦争なんてするまい”と思うだろう? だから僕は、まずはこの尊い息子の命に向かい合うことにしたんだ】 この話は、高校時代に好きだった先輩から聞いて、ずっと心にあった話で、うろ覚えのところもあるのですが、日本の侘び寂びも深く理解していたジョン・レノン。皆に愛されるのはこういうところなんだと知った10代の私だった。 全ての物事には必ず両面があるから正義を振りかざすことは暴力になりうるということを忘れずにいたい。 2年前までは、韓ドラに全く興味なかった私が、娘に「トッケビ」を勧められこんなに温かく深いドラマを生み出す国は素晴らしいと尊敬した。 韓国と日本はかつて争い、今も互いに心に痛いことが残っていてもそれでも音楽やドラマなどの芸術的分野では私たちは、心を通わせあえているということが嬉しいのです。 イ・ソンギュンさんのことも、韓国政府や警察を責めたいのではなく、この悲しい死を通して、私たちが何を学びどう進んでいけるかをみんなで考えるきっかけにしたいと願ってます。 複雑な事件なので書くのも勇気がいりますが、世界平和を心に読んでくれたら嬉しいです。 私が20代でアメリカ・オレゴンに留学してる時、宗教は平和のためにあるべきなのに、信者獲得のために牧師同士のいがみ合いをホームステイ先のお母さんが嘆いていたことを思い出す。本当の平和とはを論理的に語ったり政治が入ると複雑になるが、ジョン・レノンのように、まずは目の前の子どもたちの笑顔を守ろう。 「悩みや迷いを曝(さら)け出すのは美しいことではないかもしれないけれどもまた前を向いて歩き出すためにも包み隠さず打ち明けたいと思います」と、膿(うみ)を出し進むために出版した本のラスト2ページには「絶えることなく、ずっと」と、挑戦的な眼差しでこっちをみている春馬さんの写真。 “もう、なにものとも戦わず安らかに”と願っていたが、なんだか彼は今も、挑戦し続けているような気もしてきた。 悩み迷い、そして歩き続ける私たちと一緒にね。 そんな思いになった1冊。 空羽ファティマ