岸田総理の派閥解消は麻生・茂木派に削がれた権力を「獲り返す」ため
戦略科学者の中川コージが1月23日、ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」に出演。自民党政治刷新本部で示された「『中間とりまとめ』に向けた論点」について解説した。
自民党の政治刷新本部が「『中間とりまとめ』に向けた論点」を提示
自民党は1月22日、派閥の政治資金問題を受けた改革案の骨子を提示した。派閥で政治資金規正法などに違反する行為があった場合、党本部が一定期間の活動休止や解散を要求できる権限を付与する案が入った。いわゆる派閥の解消を訴えたものの、政策集団の名前で存続を容認する内容となった。自民党は1月25日に改革案の中間とりまとめを決定する方針。 飯田)26日に国会が始まるので、その前にとりまとめる方針です。本部立ち上げ前に岸田さんはキレてしまったわけですよね。 中川)意識の高い言葉で言えば、政党ガバナンスを上手くつくっていくというシステム化の話です。でも、全部のちゃぶ台をひっくり返してしまいましたね。
システムが決まっていなくても人心を掴んでいれば権力は発生する
飯田)こういう会議はやるけれども、ということですか? 中川)政治なので、ある意味ではシステムが決まっていなくても、人心を掴んでいれば権力は発生するものです。投票がなくても力が強い中国のような国はあるわけです。権力を持つことにおいて、「人心をどう掌握しているのか」はシステムよりも重要です。
閣僚人事などにおける働きかけや協議の禁止はこれまでの派閥のパワーを削ぐことに
中川)引退したご隠居が会長よりも影響力が強いのは、「親父に訊かないとな」とみんなが言っている状況があるからです。そのために院政が敷かれる。やはり権力の源泉は人心掌握だと思います。そういった意味では、岸田さんは総理・総裁ではあるけれど、権力がなくなっていた。それは岸田総裁自身がいちばん理解していたと思います。そうすると、「こんなものぶち壊す」という考えになりますよね。政治刷新本部では政治資金パーティーを禁止するとともに、閣僚人事などにおける働きかけや協議も禁止する方針です。これで完全にいままでの派閥のパワーは削がれると思います。 飯田)今度は執行部に権力が移っていくと思われていましたが、それすら岸田さんは否定した。