懐かしの純喫茶風ソファを採用したクルマとは? バブルの香りが漂うインテリアにいま注目が集まっています!【カタログは語る】
上質で高級感を表現したソファ
サードウェーブコーヒーブームはもちろんのこと、いま若者たちの間で空前のブームとなっているのが昭和レトロな純喫茶店です。数年前は行列に並ぶことなく入店できたのに、いまやZ世代の若者たちが大勢並んで待っているということもあり、諦めることもしばしば……。そんな昭和レトロな純喫茶というと、肌触りのいい、高級感のあるソファを連想することでしょう。それは純喫茶だけでなく、当時のクルマにも採用されていました。 【画像】室内はまるで純喫茶! 豪華なインテリアだった昭和のクルマたちを見る(19枚)
もともとはアメリカ車にみられたスタイル
今どきの「お茶をする場所」というと、シアトル系の某コーヒーショップが思い浮かぶ。小綺麗なインテリアでもちろん全席禁煙、カウンター、ソファ、テラスと席もいろいろ。そこを訪れる人たちといえば、リンゴのマークのノートPCをテーブルの上に広げるのが半ばお約束で、Wi-Fiで繋いで、ネットサーフィンやらノマドワークの原稿書き(?)やら、思い思いの時間の使い方をしている。 転じて昭和な喫茶店は、ずいぶんイメージが違った。カウベルの鳴る音、夏場ならアイスコーヒーが入った汗をかいた銅のタンブラー、ランチタイムのナポリタンと紙ナプキンにくるまれたフォーク&スプーン、BGMで流していたさだまさしetc……。筆者も学生時代に長く喫茶店でアルバイトをしていたからよく覚えているが、今のコーヒーショップにはない温かみがあった、そんな気もする。 そしてもうひとつ、昭和の純喫茶(やラウンジ)というと連想するのがソファだ。筆者がアルバイトをしていた店の椅子はたしか茶色のビニールレザーだったが、昭和な純喫茶というとしばしば見られたのがモケット地のソファ。モケットとは表面に短く柔らかい毛をビッシリと立たせて作られた布地のこと。フカッとしたクッションとの組み合わせと、しっとりとした表皮とで、当時としては上質で高級感を表現したソファだった。 その雰囲気は、一時期のクルマでも数多く採用された。もともとはアメリカ車にみられたスタイルだったが、一例としてリンカーン「コンチネンタル マークVI」と、時代は前後するがキャデラック「フリートウッド・エレガンス」のカタログを画像ギャラリーでご紹介しておこう。それから日本車でも、同様の設えのシートを採用したクルマが続々と登場したのだ。