カビの部分だけとって、パンの残りの部分を食べるのはOK? 危険な理由とカビを食べてしまったときの対処法を米専門家が解説
誰もが経験あるはず。食パンをスライスしようとしたら、昨日買ったばかりなのに表面にフワフワの青いカビが生えていたということが。ほとんどの人は食べ物を粗末にしないように、カビの部分だけ取り除いて残りを食べればいいと教えられたと思う。だが、どうやらそれは危険のようだ...。 【写真】スーパーの「パン」に栄養はない? 栄養士が明かす、「不健康な食品」16
カビの部分だけ取って残りを食べるのは危険な理由
「カビの部分だけカットするのはおすすめしません。やわらかい食べ物だからです」とナショナル・パブリック・ラジオ(NPR)に語るのは、アメリカ合衆国農務省技術情報上席スペシャリストのマリアン・グレイブリー。「やわらかい食品の場合、(カビの)根や腺毛などが非常に(食品の中に深く)浸透しやすいのです」 基本的に、カビの胞子の根は目に見えているよりずっと広い部分まで生えているのだ。 グレイブリーによると、スライスされた状態で袋に入っているパンの場合はなんとかなる可能性があるという。長い1斤の一端が内側も外側もキレイなら、そのまま保存して大丈夫。しかし、確信が持てない時は捨てよう。 「1枚についたカビが隣のスライスに広がったのをみたことがあります。なんとかしようと無理する人がいるのはわかりますが、新しいのを買ったほうが安全です」とNPRに語っている。
カビが生えた他の食品は?
カビの部分だけ取り除いて、残りを食べるのはパンだけではない。ジャムや柔らかいフルーツ、ランチョンミート(サンドイッチなどに使うソーセージなどの加工肉)は、どこであれカビを見つけたら捨てるべき。 とは言え、朗報もある。サラミやニンジン、ハードチーズなど硬い食品は、表面が硬くてカビの根がすぐ動くので、目に見えるカビを取り除けば大丈夫。ただし、安全のためにカビの周囲を1インチ(約3cm)ほどカットするようにと、グレイブリーは勧める。
うっかりカビを食べてしまったら?
「カビを食べたからと言って死にはしません」と、サンタモニカのプロビデンス・セント・ジョンズ・ヘルス・センターの消化器専門医ルドルフ・ベッドフォード医師は『Women’s Health』にコメントしている。特に免疫系が正常なら、ひどい病気になることはない。 カビの生えたものを食べて吐き気がしたとしても、それはカビの味が不快だったからで、毒性が強かったからではない。とは言え、中にはマイコトキシンという特に有害なタイプのカビがある。ネブラスカ大学リンカーン校の食品科学教授のジョージア・ジョーンズ博士は『Women’s Health』に、「微量では病気になる可能性は低いですが、肝臓や腎臓に蓄積され、長期的には健康問題の原因になります」と述べている。 ほとんどの場合、大量のカビを食べない限り、ひどい症状は起こさないというのが専門家の意見だ。しかし、万が一、軽い吐き気をもよおす以上に、嘔吐が止まらないような場合は、すぐに病院へ行こう。 ※この記事は、海外のサイトで掲載されたものの翻訳版です。データや研究結果はすべてオリジナル記事によるものです。
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