阪神が抱えるセカンドという死角
大和の手元が狂った。9回一死一二塁で、代打、小笠原の一打はセカンドの前へ。ダッシュして打球をさばいた大和は、そのまま一塁へ送球したが、そのスローイングは大きく狂った。カバーが、たまたま、うまくいって本塁を狙った和田を憤死させたが、結局は、サヨナラ敗戦。8日のナゴヤドームでの中日戦には、後味の悪さが残った……。阪神のセカンドが呪われている。 開幕直後の巨人戦で西岡剛が大竹寛の打球を追って福留孝介と激突。鼻や胸など数箇所を骨折して長期離脱を余儀なくされ、その後「1番・セカンド」に抜擢されて、大きな存在感を示していた上本博紀が、3日のヤクルト戦で打球を指に当てて骨折。たった1か月で、2人の主力が消えてしまい、セカンドのポジションがポッカリと空いてしまったのだ。 ファームから推薦のあった2010年のドラフト5位(日大三→明治大)の荒木郁也を緊急昇格させ、4日のゲームでは「8番・セカンド」でスタメン起用したが、翌日、ヤクルトが左腕の八木亮祐を先発に立ててくると、左打者の荒木を下げて、センターの大和を緊急コンバート。2年ぶりにセカンドを守らせた。4時間を越える延長戦となった6日の中日戦では、終盤に「中学時代に守って以来」(今成)となる今成亮太にセカンドを守らせた。7日の中日戦では、坂克彦をセカンドのスタメンで使った。まさに日替わり状態である。和田監督は、「誰かがカバーをしていくしかない」と、頭を悩ませている、このセカンド問題が、チームの死角になっていることも確かだ。 1、2番が出塁して、ゴメス、マートンのポイントゲッターに回すという打線のリズムが崩れた。1番には、ここまで、大和、俊介、荒木を試してきたが、ファームで好調だった荒木も、一軍で使うと非力さが気になるという。古巣の二塁へコンバートをされた大和は、最初は、「違和感があった」と語っていたが、その試合から4試合で、17打数あって、たった1本しかヒットがない。明らかに打撃に影響が出ている。