日本人男性の「中年太り」がいよいよ深刻な問題に…その「驚きの割合」と取り入れやすい「肥満対策」
平均寿命と健康寿命の“約10年の差”
日本人の健康を考える上で、新たな問題に注目が集まっていることをご存じでしょうか? WHOが発表した世界保健統計2023年版において日本人の平均寿命(84.3歳)と健康寿命(74.1歳)はともに世界1位を記録しました。しかしながらこの数値を細かく見ていくと、平均寿命と健康寿命の“約10年の差”が注目されることに……。この10年は健康上で何かしら問題を抱えながら日常生活を送らざるを得ない“不健康期間”と考えられるのです。この数値で判定した場合、日本は第33位。183か国という中では上位といえますが、「長寿で健康期間も長い」とは言い切れないのです。 【写真】日本人男性の「中年太り」がいよいよ深刻な問題に… 日本人の健康問題をもう少し細かく見ていくと、男性と女性では大きな違いがあることに気がつくでしょう。厚生労働省が行った令和5年の「国民健康・栄養調査」によれば、20~30代の若年女性は、肥満度を表す指数(BMI)が「やせ」に分類される割合が20.2%と過去10年間で最高に。若い女性の痩せ状態は、筋肉量低下や月経異常、糖尿病など将来的にも様々な健康リスクが指摘されています。 そして実はそれと好対照をなしているのが、成人男性の肥満率の増加なのです。
40~50代男性の約4割が肥満!
厚労省がこれまでに発表している「国民健康・栄養調査」の結果を見ていくと、20歳以上における男性肥満者(BMIが25以上)の割合は、令和に入った時点で33%にまで上昇。男性は3人に1人が肥満ということになるのです。そしてさらに驚くのが、中年男性。40代と50代の男性では約4割が肥満に該当するという深刻な事態に……。肥満以外で見ていくと、悪玉コレステロール値も優位に増加していることがわかります。悪玉コレステロール(LDL)は細胞膜やホルモンの形成などに重要な役割を果たしているものの、血中で過剰になると血管壁に付着して動脈硬化を引き起こすリスクが高まるために、注意すべき健康課題の一つに挙げられているのです。 このように男性を中心とした肥満問題を背景に、様々な食品メーカーが対策につながる研究や商品開発を推進しています。そこで今回は、最近発表された肥満対策に寄与する3社の事例を紹介しながら、中高年男性が実践しやすい対策のヒントをご案内したいと思います。