有名人なりすまし…急増する偽広告 7億円の被害も“ニセ森永氏”実態【バンキシャ!】
日テレNEWS NNN
有名人になりすましたニセ広告で金をだまし取る「SNS型投資詐欺」。24日には、経済アナリスト・森永卓郎氏をかたる人物におよそ7億円をだまし取られた被害も明らかになりました。森永氏をかたる手口は広がっていて、バンキシャ!はその被害者を取材しました。(真相報道バンキシャ!) ◇◇◇ 27日、バンキシャ!が話を聞いたのは、投資詐欺でおよそ2000万円をだまし取られたという女性。 被害に遭った女性(80) 「“森永さん”があおるんですよ。資産を増やしなさいって」 女性のスマホに残されていたのは、その経済アナリスト・森永卓郎氏を装った人物とのやりとり。 「この計画に従って1週間操作すると、約1000万円の収益が見込まれます」 「ぜひ私の提案を参考にしてください」 「このような機会は非常に稀で、今回逃したら次にいつ来るかは未知数です」 投資へ引きこもうとしているのか、専門用語が並べられた長文のメッセージが立て続けに届くこともあった。 被害に遭った女性(80) 「素人の文章とは思えない。本当に経済学者の文章という感じ」 老後の資金を増やそうと、投資に興味を持っていたという女性。一体何があったのか。 女性は今年2月末、森永卓郎氏らの写真が掲載された投資を呼びかけるホームページを見つけた。そこから、偽の森永氏のLINEアカウントへ誘導されたという。そして、今年3月7日~13日、投資話をやりとりするうち、相手を信用するように。数回にわたって金を振り込み、およそ2000万円をだまし取られたという。 振り込んだ回数は5回。中には一度に600万円振り込んだこともあったという。 ──やりとりの中で疑う部分は? 被害に遭った女性(80) 「振込先が個人名で、なんで個人名なんだろうって」 「30分以内に振り込んでくださいって言われて振り込む」 「老後の楽しみがなくなりました。お先真っ暗」 去年から急増している有名人を装った「SNS型投資詐欺」。きっかけとなる“詐欺広告”は一体誰が出しているのか。 24日、茨城県に住む70歳の女性が森永氏を名乗る人物などから、およそ7億円をだまし取られたことが明らかに。警察庁によると、SNSを使った投資詐欺の被害としては、過去最高額となった。 バンキシャ!は専門家とともに、こうした「SNS型投資詐欺」の実態に迫った。特に被害が大きい森永卓郎氏を装った広告をメタ社のサイトで探す。 バンキシャ! 「森永氏、SNSのアカウントは持っていないはずですが、検索すると出てきます」 「積立NISA、富裕層になるための鉄則」 あたかも森永氏が投資を勧めているかのような広告が。さらに…。 バンキシャ! 「森永氏、東京大学教授ではないですが」 不審なアカウントはほかにも。森永氏を装った別のアカウントで、「自己紹介」の部分には、大阪府の住所。この住所を法務局に問い合わせたところ、存在していなかった。 一連のアカウントで、専門家が注目したのは。 SNS詐欺などに詳しい・三上洋さん 「電話番号が書いてあります。電話番号は広告出稿の際に本人確認が必要なので、必ず電話番号の登録がある。+86は国際電話の番号で“中国”」 別のアカウントでも。 SNS詐欺などに詳しい・三上洋さん 「電話番号が+86、やはり中国です。もしかしてさっきと同じ番号ではないですか。これ全く同じですよね。犯罪者はこの番号を使ってアカウントをたくさん作っている」 広告主とみられる「+86」で始まる電話番号。バンキシャ!は、接触を試みた。 バンキシャ! 「つながってコール音がなっています」 しかし…。 バンキシャ! 「電話切れてしまいました」 2日にわたって電話をかけ続けたが、つながることはなかった。 SNS詐欺などに詳しい・三上洋さん 「非常に大きな被害が出ている。被害の原因となった広告の広告料がメタ社に入っている。つまり、詐欺の片棒を担いだとも言えるもの。メタ社はすぐに対策をしないとマズいと思います」 Facebookを運営するメタ社をめぐっては、25日、東京都や神戸市などに住む男女4人が偽広告が横行しているにもかかわらず、広告収入を得ていたとして、損害賠償を求める訴えを起こした。 メタ社は、「オンライン詐欺は社会全体の脅威」で、「今後も取り組みを続けていく」とコメントしている。 (4月28日放送『真相報道バンキシャ!』より)