國學院大から初の世代別代表候補に!! 上下動、1対1、アシストで存在感示したU-19日本代表“早生まれ”DF鈴木善「まだまだ成長できる」
関東大学リーグ3部王者の國學院大DF鈴木善(2年=多摩大目黒高)が12月中旬、千葉市内で行われたU-19日本代表の国内合宿で堅実なアピールを見せた。これまでのキャリアで世代別代表歴はなく、いわゆる「サプライズ招集」という立場ではあったが、持ち前のスプリント力と1対1の対人能力をいかんなく発揮。練習試合ではMF佐藤龍之介(FC東京)との連係でアシストも記録するなど、順応性の高さでも存在感を示していた。 【写真】「イケメン揃い」「遺伝子を感じる」長友佑都の妻・平愛梨さんが家族写真を公開 鈴木によると、今回招集されたメンバーの中に顔見知りはなし。ただ「そういうのは慣れているので大丈夫」と臆することなく輪に入り、「最初は緊張したけど、寝泊まりするなかで徐々に慣れてきて、けっこう仲良くなれた。(早生まれで)一番上なので積極的に話しかけてあげようかなと思っていた」と交流を図ると、ピッチ上でも「徐々に慣れてきて自分の良さを出していけた」と充実の3日間を過ごせたようだ。 最終日に行われた練習試合では、普段の所属リーグよりレベルの高い流通経済大の主力メンバーに挑む形となったが、左SBでの上下動と技術を活かした攻撃参加で存在感をアピール。「自分の武器は1対1の対人、スプリントでチームに貢献するところだったので今日は出せたのかなと思う」。その上で佐藤のゴールもアシストし、「大学のサッカーを通して結果は求めてきたので、代表の舞台でも結果を出せて良かった」と手応えを得ていた。 東京都の多摩大目黒中高で育った鈴木はこれまで全国大会や世代別代表の経験はゼロ。転機となったのは今季、関東3部上位を争っていた専修大との直接対決で代表スタッフの視察を受けたことだった。「良い活躍ができたので、そこで見てもらったという感じ。いつどこでチャンスがあるかわからない。自分がそれは一番よくわかっているので1試合1試合大事だと思ってやっていた」。日頃の積み重ねが初の代表入りという結果で実を結んだ。 高校時代も主に東京都2部(T2リーグ)でのプレーが中心だったこともあり、下剋上への思いは人一倍強かった。 「選手権も都ベスト8でチームとしては上に行けなかったけど、個人的に考えていたのは自分自身が上に行きたければ上に行けるということ。自分が上に上がるために何が必要かを考えていた」 鈴木が振り返る高校3年時の全国選手権予選準々決勝では、FW横山夢樹らを擁した帝京高を相手に存在感を放ったようで、当時の『ゲキサカ』マッチレポートにも名前が残っている。「自分としては全然やれるなという感覚があった。チームは負けてしまったけど、そこでできると思って、上に行こうという決心がついた」。入学を決めた國學院大では関東3部からのスタートとなったが、自信を持って入部を決めた。 大学1年時の昨季は「試合に絡める試合、絡めない試合があったけど腐らずに自分と向き合ってどう成長していくかを考えていた」という鈴木。その中でも自身にフォーカスし、出番を掴んだ今季に至るまで「サッカー選手は1試合の結果で左右されるので、出た時は常に120%の力を出そうと思っていた。(今季も)目の前の試合だけを考えて、優勝とかを考えず、その1試合で勝つことを毎試合やっていた」という。 その成果が、世代トップレベルが集まる代表合宿の舞台につながっていた。「初日はプレースピードも早くて苦労したけど、そこでも何ができるかを考えた。まずは自分の武器である対人、スプリント回数での勝負は絶対に負けたくなかった」。異なる環境、異なるレベルの中でも自分を表現できる姿勢は今後のキャリアでも大きな武器になりそうだ。 来年2月にはU-20W杯の予選にあたるAFC U-20アジア杯を控えており、鈴木が選出されれば、初めての国際試合に挑む機会も視野に入る。「まだ自分はそこまでは見えていない」と冷静に展望を口にする鈴木だが、個人の成長に加え、初の2部昇格を果たした大学の飛躍もテーマに掲げ、地道に準備を進めていく構えだ。 「ここからオフに入るけど自分ができる自主練習は欠かさずにやっていきたいし、まだまだレベル的にも成長できると思うので、一日一日成長したいし、いつどこで呼ばれるかわからない。いつでも良いコンディションで、ベストなパフォーマンスでできるように頑張っていきたいです」。U-20W杯は来年9月。チームとともに躍進を続ける左SBが勝負の2025年を迎える。
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