ゴール直前で棄権となった東海大のロマホン・シュモン（１９日、国営昭和記念公園で）＝菅野靖撮影

　第１０１回東京箱根間往復大学駅伝競走（箱根駅伝）の予選会が１０月１９日、東京・立川で行われ、立教大や中央大など１０校が来年１月の本大会への出場権を得た。予選トップ通過候補に挙げられていた東海大は、選手の途中棄権などが響いて１４位に終わり、１２年連続の出場を逃した。（デジタル編集部） 【写真】ゴール直前で棄権となった東海大のシュモン。車いすで運ばれた

総合１１位でゴールした東海大１０区のロマホン・シュモン（今年１月の第１００回箱根駅伝で）

　ハーフマラソン（２１・０９７５キロ）のフィニッシュ地点を目前にしても、振り絞れる力は残っていなかった。東海大のロホマン・シュモン（３年）はゴール手前で、コース上に倒れこんだ。その横で、ラストスパートをかける他校の選手たちが次々とフィニッシュラインに飛び込んでいく。救護スタッフらに抱きかかえられたロホマン・シュモンは車いすに乗せられ、無念の途中棄権となった。

　予選会エントリー時の１万メートルの記録は２９分７秒４８で、東海大の出場選手中、５番目。前回の本大会では２年生ながら１０区を任された。１万メートル２８分台のタイムを持つ五十嵐喬信（４年）と鈴木天智（３年）の欠場が１９日朝、発表され、主力選手の一人として期待される中、１５キロまでは４６分１６秒と上位で通過していたが、２０キロは１時間２分３１秒と遅れた。５キロごとのラップタイムも、１０キロ地点～１５キロ地点までの１５分４０秒から、１５キロ地点～２０キロ地点は１６分１５秒に下降。残り１キロ余りで、さらに苦しい走りを強いられていた。

　各チーム１０～１２人が走り、上位１０人の合計タイムで順位を決める予選会。東海大は、チーム９位となった中井陸人（３年）が１時間７分３９秒でゴールした一方、１０人目にゴールした越陽汰（４年）は１時間１２分２９秒と大きく遅れるなどし、１０人の合計タイムは１１時間３分３９秒となった。今回の予選会をぎりぎりで通過した１０位・順天堂大の合計タイム（１１時間１分２５秒）とは、２分１４秒差。ロホマン・シュモンの途中棄権がなければ、前評判通りに本大会出場を決めていた可能性がある。

　東海大が１０校の本大会出場枠に滑り込んでいれば、順天堂大が予選落ちし、本大会出場記録が１３年連続でストップしていた可能性もある。昨年の予選会では、東京国際大の留学生リチャード・エティーリが転倒するなどのハプニングがあった。１０月としては異例の暑さの中で行われた今年の「立川秋の陣」も、波乱のレースとなった。