〈にんじんの皮〉むくのが正解?むかないのが正解?栄養価はどのぐらい違う?管理栄養士が回答
にんじんはサラダとして生で食べたり、炒め物や煮物、天ぷらなど様々な料理に登場する万能野菜ですよね。にんじんを調理する際、皮は剥きますか?当たり前に剥いている方が多いかもしれませんが、実はにんじんは皮を剥かずに食べられるんです。今回は、にんじんの皮に含まれる栄養素と、皮をむかずににんじんを美味しく食べる方法を管理栄養士が解説します。 【写真】〈にんじんの皮〉むくのが正解?むかないのが正解? ■皮つきと皮なしでは栄養価は違う? 生で食べる場合の、にんじんの皮つきと皮なしの栄養価の違いを可食部100g単位で比較してみましょう。 ■■ビタミンB1 皮つき:0.06㎎ 皮なし:0.03㎎ ■■ビタミンK 皮つき:17μg 皮なし:4μg ■■カルシウム 皮つき:28㎎ 皮なし:24㎎ ■■βカロテン 皮つき:6900μg 皮なし:6300μg 皮つきのまま食べた方がビタミンKやβカロテンが特に多く摂れることがわかります。ビタミンKは血液の凝固を促したり、骨の形成を調節したりする重要な栄養素です。βカロテンは皮膚や粘膜の健康維持に関わり、免疫力強化に効果的です。 ■にんじんの皮は剝かなくても大丈夫? 実は、スーパーに並んでいるにんじんは、収穫後に洗浄する工程で外皮剥け、薄皮だけが残っている状態なんです。薄皮はよく洗えばそのまま食べられます。シャキシャキとした食感も楽しめて問題なく食べられます。皮を捨てずに食べることで食品ロスを防ぐことができますし、皮を剥く手間も省けて料理の時短に繋がりますね。 ■にんじんの皮を食べる時の注意点 にんじんの皮には農薬が残っているのではないかと気になるかもしれませんが、大丈夫です。収穫後に洗浄してから出荷されるため農薬が残っている可能性は少ないです。ただ、汚れなどが残っていることもあるので、流水でしっかりと洗ってから使うようにしましょう。 ■■皮つきがおすすめなメニュー ・にんじんきんぴら ・にんじんしりしり ・にんじんの千切りサラダ ・かき揚げ ・カレーライス 和風の煮物やスープは皮が剥がれることがあるので、見た目が気になる場合は皮を剥いて使うようにしてください。 にんじんの皮には栄養がたっぷりで、いつもと違う食感が楽しめるのでレパートリーも広がります。ぜひにんじんを皮ごと食べてみてくださいね。 【参考文献】 食品データベース にんじん/皮つき/生 消費者庁 食品ロス削減/家庭編 ライター/浅野いずみ 行政管理栄養士として保育園や老人ホーム等の施設衛生・栄養管理の指導に従事。その後フリーランスとして特定保健指導やダイエットプランナーとして個人の栄養や健康をサポートしている。食材の持つ力や組み合わせ、効果的な調理法についてのテーマを中心に、食べることが楽しくなるような執筆を心掛けている。 協力/NS Labo
NS Labo(栄養サポート研究所)