伊豆諸島などで一時津波注意報 小さな地震で津波発生の背景に「海底火山」? 今後の活動は
24日朝、鳥島近海を震源とする地震があり、伊豆諸島で最大50センチの津波が観測されました。専門家は、海底火山の活発化によって海面変動がおきた可能性を指摘しています。 24日午前8時すぎ、伊豆諸島の鳥島近海を震源とするマグニチュード5.8の地震がありました。 今回の地震の規模は本来、津波をおこすようなものではありませんが、気象庁は、鳥島周辺ではこれまでにもマグニチュード6前後の地震で津波が発生していたことから、伊豆諸島と小笠原諸島に津波注意報を発表、八丈島では50センチの津波を観測しました。 鳥島近海でおきる津波と火山活動の関連について研究をしている東京大学地震研究所の三反畑修助教によりますと、今回の地震や津波について、海底火山の活発化によって地下からマグマが上昇し、海底の岩盤や海面を押しあげた可能性があるとしています。 この現象は「トラップドア断層破壊」と呼ばれていて、今回の地震波や津波のデータが、過去にこの現象がおきた際に観測されたものと似ているということです。 さらに、今回の震源に近い「須美寿島」の周辺では、今月19日に海面の変色が見つかり、噴火警報が発表されています。 三反畑助教は、変色だけで原因を特定するのは難しいとしながらも、マグマや火山ガスの流出など、火山活動の活発化の可能性があるとみています。 今後の活動については、相反する2つのシナリオがあると分析しています。1つはマグマの圧力を逃がし、火山活動が低下するシナリオで、過去にも津波が発生するような地震のあとには沈静化がみられるということです。一方で、活発な噴火活動に移行する可能性も捨てることができず、噴火の規模や様式は予測が難しいということです。 今回の津波と火山活動の関係についても引き続き、分析を進めていくとしています。