JR九州が4年連続増収、コロナ禍から回復進み不動産・ホテル・鉄道好調…9月中間の営業益9・3%増
JR九州が6日発表した2024年9月中間連結決算は、売上高にあたる営業収益が前年同期比9・3%増の2084億円で中間期として4年連続の増収だった。コロナ禍からの回復が進み、不動産・ホテル事業や鉄道収入が前年を上回った。 【グラフ】JR九州の9月中間連結決算の推移
不動産・ホテル事業の営業収益は10・7%増の611億円だった。駅ビルの来客が増え、テナントから得られる収入が好調だったほか、訪日客の増加を受けてホテルの稼働率も上がった。マンション販売も堅調だった。
主力の鉄道収入も4・1%増の733億円と、コロナ禍前の97%の水準まで回復し、中間期として4年連続の増収だった。在来線の収入はコロナ禍前を下回ったが、新幹線は定期収入などが好調で上回った。記者会見した古宮洋二社長は「都市近郊では(鉄道利用が)増えているが、地方に向かう長距離の動きが弱い」と述べた。
全体の最終利益は前年同期に株式売却による特別利益を計上した反動などから、19・1%減の226億円と4年ぶりの減益だった。
子会社のJR九州高速船が旅客船「クイーンビートル」の浸水を隠して運航し、行政処分を受けた問題について古宮社長は、業績への影響は限定的との見方を示した。8月から運休しているが、通年で運航した場合でも収益は約20億円という。
25年3月期の通期業績予想は据え置き、営業収益を4411億円、最終利益を422億円とした。