認知症の主な4つの種類とは?特徴と原因を解説
平均寿命が延びる中で認知症患者も増え、厚生労働省の発表によると、2025年には65歳以上の5人に1人に達するとの推計もあります。認知症の症状は人それぞれ異なるため、介護者側とのコミュニケーションが上手くいかず、お互いにストレスを抱えてしまう場合も多くみられます。大阪大学名誉教授の佐藤眞一先生いわく「認知症の人の発言や行動は、その言動をする理由を知れば、介護はラクになる」とのこと。今回は基礎知識として、認知症の代表的な4つの病型を紹介します。 【図】図解でわかる、認知症の4つの種類 * * * * * * * ◆認知症は主に4タイプ 認知症のタイプは、原因となる病気から主に、 ・アルツハイマー型認知症 ・血管性認知症(脳血管性認知症) ・レビー小体型認知症 ・前頭側頭型(ぜんとうそくとうがた)認知症 の4つに分類され、4大認知症と呼ばれています。特に高齢発症の認知症の場合には、それらが複数混在している例も多くあります。 また、その他にも認知症の原因となる傷病は多数あり、その数は70あるいは80以上とも言われています。
◆記憶障害に始まりゆっくり進行する 「アルツハイマー型認知症」 日本人の認知症全体の約6割以上を占める代表的な認知症で、アルツハイマー病によって発症します。 アルツハイマー病の原因はまだわかっていませんが、「アミロイドβ」という特殊なたんぱく質が、長い年月をかけて脳内にたまり、さらに神経細胞内のタウたんぱく質も変性を起こすことによって、神経細胞が破壊され、脳が萎縮するのではないかと考えられています。 とくに、短期記憶をつかさどる「海馬」の萎縮が目立つのが特徴です。そのため、最初に現れるのは記憶障害が一般的だと言われますが、まれに言語障害から始まる人もいます。 進行はゆっくりで、発症する20年以上前からアミロイドβの蓄積が始まるとも言われます。 進行を遅らせる認可薬はありますし、最近では毒性を持ったアミロイドβたんぱく質を分解する新しい薬剤も開発されていますが、根本的な予防法や治療薬は今のところありません。