【ヤクルト】中村優斗の一本釣り成功は大きい 2位・4位は村上&山田の“後継者”指名で「補強ポイント」合致のドラフトに
プロ野球ドラフト会議が10月24日に行われ、ヤクルトは1位で愛知工業大学の最速160キロ右腕・中村優斗(21)の単独指名に成功した。即戦力右腕を“一本釣り”できたことで、2位以下、さらには育成を含めてバランスの良い指名ができたことは大きかった。 【画像】押さえておきたい「2024ドラフトの目玉」たちを厳選! 注目選手のプレー写真&寸評を一挙紹介 2年連続リーグ5位からの巻き返しへ、「補強ポイント」に合致した指名ができたといえる。特に課題は投手陣。その中で、中村の交渉権を獲得できたのは大きく、今季9勝を挙げた吉村貢司郎、左腕の高橋奎二、奥川恭伸らとともに1年目から先発ローテとしての期待は高い。これまでは小川泰弘がエースとしてチームを支えてきたが、来季は35歳を迎える。中村が次世代の投手陣の柱として成長していってほしい。 3位で指名されたセガサミーの最速150キロ左腕・荘司宏太(24)は、右腕を高々と上げるダイナミックなフォームが特徴的で、チェンジアップも武器。貴重な左のリリーバーとしての期待がかかる。 野手は将来性を重視した指名となった。2位で豊川高のモイセエフ・ニキータ(17)を指名。ロシア人の両親を持つ強打の外野手で、将来性豊かな高校生を指名できたことで、来オフにメジャー移籍するのが既定路線である村上宗隆の“後継者”へ、期待は高まる。 3月のセンバツでは飛ばないといわれる「新基準バット」に移行して甲子園で初めてアーチをかけ、公式戦の通算打率は「.485」とパワフルな打撃が持ち味だ。将来は主軸として神宮で暴れ回りたい。 4位で指名された健大高崎高の田中陽翔(18)は、高校通算21本塁打をマークした強肩強打の大型遊撃手。父・充さんはヤクルトとロッテでプレーしていた。二塁は山田哲人が来季33歳を迎える。“後継者”の育成も重要で、山田も遊撃から二塁へコンバートして活躍しただけに、山田と同じ道を歩み、将来はチームの顔としての期待もかかる。 5位には、四国アイランドリーグplus・愛媛マンダリンパイレーツの捕手・矢野泰二郎(22)が指名された。送球の正確性、フットワークの良さに定評のある捕手で、1年目からポジション争いに加わりたい。 支配下だけでなく、育成で2人の投手も指名できた。育成2位の愛媛マンダリンパイレーツ・廣澤優(23)は、193センチ100キロの体格から最速158キロを投げ込む本格派右腕。一方、育成3位のオイシックス新潟アルビレックスBC・下川隼佑(24)はアンダースローの技巧派右腕で、今季は40試合に登板して4勝8敗、防御率は3.86、102奪三振をマークしてイースタンリーグの奪三振王に輝いている。 2人とも育成での指名とはいえ、それぞれの特長を生かし、早くから支配下として1軍の戦力になって欲しい投手だ。ヤクルトは支配下・育成を合わせると満点に近いドラフトだったように思える。 [文:別府勉]