63歳で住宅ローンが残り「800万円」です。2年後に定年の予定ですが、早めに「繰上げ返済」すべきですか? 年金を受給しながらの返済は避けるべきでしょうか…?
住宅ローンが残っていることが、精神的な負担になっているという人も多いのではないでしょうか。少しでも元本を減らしたいと、繰上げ返済を検討している人もいるでしょう。今回の事例のように、定年を間近に控え、残った住宅ローンを繰上げ返済するべきか、悩む人も少なくないようです。 本記事では、繰上げ返済を行うメリットや注意点について解説します。ぜひ参考にしてください。 ▼住宅ローンは「繰上げ返済」すべき? メリットについて解説
そもそも繰上げ返済とは
繰上げ返済とは、毎月の返済と別に、まとまった額の返済をする方法です。繰上げ返済は基本的には任意のタイミングで行うことができ、「全額繰上げ返済」と「一部繰上げ返済」の方法があります。 全額繰上げ返済では、住宅ローン返済中に、全ての残高を繰上げて返済します。一部繰上げ返済では、毎月の返済額とは別に、ローン全額ではありませんがまとまった金額を繰上げて返済します。
繰上げ返済のメリット
繰上げ返済は、元本の返済のみに充てられるため、その分支払い利息が少なくなり、住宅ローンの総支払い額を減らすメリットがあります。現状借りている住宅ローンの金利が高いほど、支払い利息の軽減効果は大きくなります。 また、住宅ローンを早期に完済したり、ローン総額を減らすことによって、今後のライフプランを立てやすくなったり、精神的な負荷を減らすことができるでしょう。
繰上げ返済の注意点
繰上げ返済を行う場合には、注意点がいくつかあるため、代表的なものを紹介します。 ■手元資金の減少 一度返済したお金は手元に戻せません。そのため繰上げ返済の実行は慎重に行いましょう。繰上げ返済をした後に予想外の大きな支出があった場合には、家計が圧迫されてしまいます。 退職金による住宅ローン返済を考えている人については、退職金は重要な老後資金ですので、今後の支出についてよく検討した上での判断が必要でしょう。 ■団体信用生命保険(団信)の消滅 団信は、住宅ローンの債務者が返済期間中に死亡または高度障害状態になった場合などに、その保険金にて住宅ローン残高が完済される仕組みの保険です。仮に繰上げ返済後に団信の保険金の支払い事由が発生してしまう場合には、繰上げ返済を行わずに手元にお金を残しておいたほうが金銭的メリットはあると言えるでしょう。