月探査ミッション「アルテミス3号」の着陸候補地が発表–9カ所が最終候補に
米航空宇宙局(NASA)は米国時間10月28日、有人月探査ミッション「Artemis III」(アルテミス3号)での着陸候補地を発表した。2022年8月に発表した際は13カ所だったが、これを9カ所に変更した。 発表された9カ所の最終候補地は、地質学的に多様であり、それぞれが岩石型惑星、月の資源、太陽系の歴史に関する新たな知見をもたらす可能性があるとNASAは述べている。具体的な着陸地点は、Artemis IIIの打ち上げ日が決定された後に選択される。 「これらの着陸地域のいずれかで、われわれは驚くべき科学研究を行い、新たな発見ができるだろう」と、NASAの月地質学者のSarah Noble氏は述べている。Artemis IIIでは、太陽光が当たらない、「永久影」と呼ばれる領域を探査することで、氷の層から太陽系の歴史に関する手がかりが得られるだけでなく、宇宙飛行士の生命維持装置やロケット燃料も供給できるのではないかと考えられている。 Artemis IIIは、Space Exploration Technologies(SpaceX、スペースX)が開発する巨大ロケット「Starship」を月着陸用に改良した「Starship HLS(Human Landing System)」でアメリカ人宇宙飛行士を月の南極付近へと降り立たせる。ミッションは2026年9月に予定されている。
塚本直樹