「山本被告は協力的。正直に認めるべき」ALS嘱託殺人の控訴審、大久保被告が証言
筋萎縮性側索硬化症(ALS)を患う林優里(ゆり)さん=当時(51)=から依頼され、薬物を注入して林さんを殺害したとして嘱託殺人罪などに問われ、一審京都地裁で懲役2年6月の判決を受けた元医師山本直樹被告(47)の控訴審第2回公判が24日、大阪高裁(坪井祐子裁判長)であった。犯行を主導したとされる医師大久保愉一(よしかず)被告(46)=一、二審懲役18年、上告中=が証人として出廷し、「山本被告は(犯行に)協力的だった」と証言した。 【写真】大久保被告はこちら 裁判はこの日結審した。判決は来年3月13日。 昨年12月の地裁判決は、大久保被告が林さんに薬物を投与する間、山本被告は発覚しないようヘルパーに対応する見張りを担っており、2人の間に共謀関係があったと認定した。山本被告の弁護側は、大久保被告との共謀はなかったとして無罪を主張している。 大久保被告は証人尋問で、林さん宅で何をするかは山本被告に具体的に伝えておらず、見張りも頼んでいなかったと述べる一方、「(山本被告は)救急車を呼ぶような生命に及ぶことをすると感づいていた」と証言。その理由として、山本被告が林さん宅付近の下見をした結果を伝えてきたことなどを挙げ、ヘルパーが部屋に入るのを妨げる場面があったと述べた。 坪井裁判長から山本被告への感情を問われると、「やったことを正直に認めるのがあるべき姿だ」と話した。山本被告はこの日の公判に出廷しなかった。 山本被告は、2011年に父親の靖さん=当時(77)=を大久保被告らと共謀して殺害したとする殺人罪でも起訴され、この事件は懲役13年が確定している。