物語は1人の脚本家の死から始まる、湯浅典子の監督作「カオルの葬式」11月公開
「空っぽの渦」の湯浅典子が監督を務めた日本・スペイン・シンガポール合作映画「カオルの葬式」が11月22日に公開決定。ポスタービジュアルと予告編が解禁された。 【動画】「カオルの葬式」予告編はこちら 本作は脚本家・カオルが亡くなったという報せを、10年前に離婚した元夫の横谷が受け取ることから物語が展開。遺言には横谷がカオルの葬式の喪主になるようにと記されていた。横谷が彼女の故郷・岡山に到着すると、そこにはカオルが遺した9歳の一人娘・薫の姿が。葬式にはカオルのマネージャーやプロデューサーの先輩、親友など個性的な人物たちも登場し、やがてある事件が発生する。 カオル役に「鎌倉殿の13人」の一木香乃、横谷役に「Chime」の関幸治が起用され、薫を新津ちせが演じた。そのほか原田大二郎、黒沢あすか、足立智充、田中モエ、滝沢めぐみ、川島潤哉、蔵本康文、木村知貴、大岩主弥、錫木うりもキャストに名を連ねている。 YouTubeで公開された映像にはカオルと横谷が織りなす過去の美しい日々や、葬式に集まった面々が感情をぶつけ合う様子が収録された。 第19回大阪アジアン映画祭でJAPAN CUTSアワードを受賞した「カオルの葬式」は、東京・新宿武蔵野館ほか全国で順次ロードショー。 ■ 大阪アジアン映画祭 JAPANCUTS AWARD 受賞理由 「カオルの葬式」はある家族の葬儀の場で起きる赤裸々な感情のぶつかりを見事に捉えたホームドラマである。タガの外れた演技の完璧な掛け合いが、パーカッションのリズムが心地よいサウンドトラックと勢いのいい編集と相まって、家族の機能不全を面白く切なく描いたダークコメディに仕上がっている。 ■ Jason M(映画ライター)コメント 今作は、鮮やかな色彩とエネルギーあふれる演出によって表現されており、ストーリーを追いがちな大作と呼ばれる映画が持つことが難しい、インパクトと魅力を強く放っている。物語の中心には、すでに亡くなっている主人公・カオルが常に存在し続けている。自身の人生を生きるために懸命にもがく彼女の姿は、観客に楽しさだけでなく、深い感動を与えるものである。 (c)PKFP PARTNERS LLC.