ライオネス飛鳥×長与千種「クラッシュ・ギャルズ」“還暦”対談 80年代女子プロレスブームの再来を語り尽くす
「自分は全女を信じてなかったから(笑)」
──強さと人気の秘訣に2人の結束力もあった。 千種 相方は1を言ったら100わかる。あの頃は、アイコンタクトで全部できてた。 飛鳥 そうだね。自分たちはお金は二の次、三の次で、毎日超満員の会場で試合をできることがありがたかったし、その中で何を見せていこうかを考えて、動いてることが楽しかった。芸能活動が増えて耐えられない時もあったけど、いい青春時代だった。 千種 自分は全女を信じてなかったから(笑)、いつ使われなくなるのかなって心配だった。ウチらは新たな女子プロの流れをつくろうとしたから、今アーカイブすると、先輩たちも嫌だったろうなと思うよ。 飛鳥 そうだよね。ジャガー(横田)さんから、「アンタたち、いつか人を殺す」って言われたもん。 千種 でも、当時はそれぐらいやんないと、チャンスを掴めなかったから。 ──お互い還暦になり思うことは? 飛鳥 “まだ60”という感覚でいたいなって。読者の方も、会社員だったり、社長だったり、いろんな立場にあるだろうけど、「まだまだ」って思って欲しい。気持ちひとつだと思うんだよ。もう無理って言ってしまえば無理だろうし、まだできると思ったらできる。この前ね、マンション内で引っ越したの。もう借りられなくなるかと心配したら「78歳まで借りられますよ」って言われて「そうなんだ!」って前向きにとらえられた自分がいた。 千種 田舎に来れば、一軒家を買えちゃうよ! それにしても、60過ぎて相方がいることは何より。全部わかってもらえているという絶対的な信頼と安心感がある。 飛鳥 お互い一国の主だから、共感できるところもあるし。 千種 よく知ってくれてるんだよ、自分のダメなところを。それも全部ひっくるめて、話せるようになったね。 飛鳥 揃って60になったからこそ弱音も吐けるし、励ましもできる。いい意味で性格が真逆だから、インスパイアしあえるのかな。 千種 この前相談したとき「ウチらは本当に死ぬぐらい大変だったけど、高い位置に上って下をちゃんと見てたんだ。何があってもかましてやれ」って言われて気持ちが上向いた。 飛鳥 常に攻めていく千種であって欲しい。試合の前に手を握って「できる! ウチらは絶対にできる!」って言ってからリングに向かったみたいにね。攻めていこうよ。ウチらスゲぇんだからさ、みたいな。