住宅・学校、再建に遅れ ネパール、160人犠牲の地震から1年
【ニューデリー時事】ネパール西部を襲い、計160人が犠牲となった地震から3日で1年がたった。 泥やれんがで造られた建物の多くが倒壊。夜中で就寝中の住民も多く、被害が拡大した。住宅や学校の再建は進まず、多くの被災者が今も不便な生活を強いられている。 政府は仮設住宅の建設を補助するため、1家族につき2回に分け計5万ネパール・ルピー(約5万7000円)の支給を約束した。しかし、1回目の半額が支払われただけという家族が多い。 政府が被害状況を把握できておらず、職員の頻繁な異動も支給遅れの背景にあるとされている。被害の大きかったジャジャルコット郡の農家、ガネシュ・カドカさん(43)は「政府は1年以内に恒久住宅を建設すると約束したのに、仮設住宅を建てるお金さえ提供してくれない。いつまで待てばいいのか」と嘆く。 また、仮設住宅が建設されても寒さ対策は不十分だ。昨冬、数十人が厳しい寒さに耐えられず仮設住宅で亡くなった。仮設住宅で暮らすビシュヌ・カミさん(53)は「地震で生き残ることはできたが、寒波や病気を恐れている」と話す。 ジャジャルコット郡当局によれば、学校で数百棟の校舎が倒壊した。校舎の建設は遅れ、地域の教育にも影響を及ぼしている。