ＤｅＮＡのケイ

　ＤｅＮＡの左腕・ケイが第３戦の東に続いて、ソフトバンクを封じた。左打者を６人そろえた打線を相手に７イニング４安打無失点、７奪三振。序盤にインコースを徹底的に攻めておいた配球が好投の要因となった。 　初回は柳田、周東、栗原を３者連続三振。３回まで三者凡退を続け、三振ラッシュ。適当に制球が荒れて、逆球もあったにせよ、左のパワーピッチャーが日本の左打者の内角に１５０キロ台半ばの力強い直球を投げておけば、そうそうは打たれない。それが実績豊富な柳田、近藤であってもだ。 　ケイは今年、２試合で１勝を挙げた中日戦の防御率（１．３８）、三振奪取率（１０．３８）が球団別で最も良い成績だった。そんな左腕が６回、笹川の左前安打と二盗などで１死一、二塁のピンチを招いた。リードは１点。俊足の走者が一塁にいれば、外国人投手はイライラしがちだが、笹川と周東で塁が詰まっているから、重盗はあまり気にしていなかったと思う。 　打者に集中できる状況でもあり、栗原には内角直球を挟んで、最後はスライダーで一ゴロ。そして、山川には初球のチェンジアップで平凡な中飛に打ち取った。一番タイミングが合いそうな球種を選択しているが、打ち損じてくれたのは序盤の内角攻めが効いていたからだ。 　私は山川を迎えたところで右アンダースローの中川颯を投入するだろうと考えた。しかし、ケイが見事に踏ん張った。しかも７回まで投げきってくれたのだから、値千金といえる快投だった。　（本紙評論家）