ラグビーW杯代表戦士が異色ビジネス挑戦 「おもしろレンタカーで…」通念にとらわれない奔放な発想
日本ラグビーの進化に言及「例えばオールブラックスを15人呼べば…」
設立理由として日本代表強化も掲げて発足したリーグワンは、4シーズン目を迎えようとしている。リーグおよび協会関係者は挙って、来日する数多くの世界トップクラスの選手たちが日本ラグビーの進化を牽引すると声高に語っている。その主張に嘘偽りはないだろう。だが、マイナスに成り得る側面をどこまでしっかりと検証、認識しながらリーグを進めているのだろうか。山田の指摘は、リーグがいま孕んでいるグレーゾーンの領域に踏み込んでいるように思える。客観的に検証するべき課題だろう。そして、山田の思いはリーグに参入するチームの在り方についても及んでいる。日本代表、そして日本ラグビーの進化については、こう締め括った。 「例えばオールブラックスを15人呼んでくれば、そりゃリーグワンで優勝しますよ。でも、そうしたら日本代表は誰が出るんですかという極端な話になるんです」 慶應義塾大に入学してから本格的な取材が始まり、その付き合いは20年にもなる。大学入学当時は、試合前にパスタを作ってくれたガールフレンドのことを嬉々として話していたおおらかな少年も、挫折と克服を繰り返す中で、社会の中、チームの中でバランスを取る術も身に着けてきた。その一方で、その楽天的で、通念に捕らわれない自由奔放な発想は、18歳の時と同じだ。ディビジョン2とはいえ39歳で迎える国内最強リーグでの挑戦に迷いはない。今回のインタビュー、そして変わらぬプレーから読み取れる言動は、ラグビーの本質を見事に捉えたフランス代表FLジャン・ピエール・リーヴの金言とオーバーラップする。 「ラグビーは少年を大人にし、大人を再び少年にする」 吉田 宏 サンケイスポーツ紙で1995年からラグビー担当となり、担当記者1人の時代も含めて20年以上に渡り365日欠かさずラグビー情報を掲載し続けた。1996年アトランタ五輪でのサッカー日本代表のブラジル撃破と2015年ラグビーW杯の南アフリカ戦勝利という、歴史に残る番狂わせ2試合を現場記者として取材。2019年4月から、フリーランスのラグビーライターとして取材を続けている。長い担当記者として培った人脈や情報網を生かし、向井昭吾、ジョン・カーワン、エディー・ジョーンズら歴代の日本代表指導者人事などをスクープ。ラグビーW杯は1999、2003、07、11、15、19、23年と7大会連続で取材。
吉田 宏 / Hiroshi Yoshida