新庄劇場に幕下ろす 阪神・前川右京に特命 交流戦ラストを飾って逆転打点王だ
新庄劇場はもう許さん!! 阪神・前川右京外野手(21)が17日、交流戦最終戦となる18日の日本ハム戦(甲子園)を勝利で締めくくることを宣言した。開幕カードでは新庄剛志監督(52)にかき回されて2連敗を喫したが、今回は交流戦チーム打撃部門3冠といま最も頼れる若虎が主役だ。2差で追う交流戦打点王をつかみ取り、レギュラーの座を確固たるものにする。 【写真】「マスクもろた」試合を観戦する阪神・岡田彰布監督に挨拶する日本ハム・新庄剛志監督 〝相棒〟のバットで有終の美を飾る。新庄劇場にのまれ、勢いをそがれて始まった悪夢の3週間。ただ、そんなどん底の中でも光る若虎がいた。つらかった交流戦の最後は勝利の笑顔で締める。前川が虎の気持ちを代弁した。 「全員その気持ちだと思う。チーム全員で勝ちたいなと思います」 初戦は特注の虎ユニホームに袖を通して行ったメンバー表交換、2戦目は投手・山崎の6番起用-。新庄マジックにかき乱された日本ハム戦2連敗から、苦戦続きの交流戦は始まった。 最下位こそ免れたが、17日現在で6勝11敗は12球団で11位。12敗となれば、交流戦が18試合制となった2015年以降では球団ワーストとなる。特に苦しんだのが貧打。ただ、その中で希望の光もあった。前川の成長だ。 「初めはビッグマウスとか言われると思うんですけど、新庄監督は最後は必ず結果で示す。自分もしっかり発言してそれを結果で示せるようにしたいと思います」 タテジマの先輩でもある新庄監督について、前川は入団直後の22年にこう語っていた。そして、今年の交流戦前には「最後に見られるのはやっぱり結果。そこにきちんとたどり着けるような準備をしたい」と誓いを立てた。 結果で示す-。その言葉通り、5月31日のロッテ戦(ZOZOマリン)では待望プロ初本塁打をマーク。6月16日のソフトバンク戦(みずほペイペイ)では、2号となるプロ初のグランドスラムを放って連敗中のチームを救った。虎の高卒3年目での満塁弾は、新庄監督が1992年に記録して以来だった。 交流戦打率・288(52打数15安打)、12打点、2本塁打はチーム打撃部門3冠。全体でも12打点はトップと2差で、交流戦打点王を狙える位置だ。6月5日に不振で2軍降格した大山は、再昇格が可能になってもまだ鳴尾浜で調整を続けている。主砲の穴を埋め、貧打を解消させるのは成長著しいこの男しか考えられない。