縦2メートル、横20メートル 北信五岳を描く巨大な壁画、長野の寺で制作中
美術家田窪恭治さん(75)=千葉県習志野市=が、長野県信濃町の行善寺で本堂の壁画制作に取り組んでいる。年内に縦2メートル、横20メートルの大きな作品を完成させるプロジェクトで、薄墨を使い、町内から見た残雪の山々を和紙に描く。10日に本格的に制作を始め、16日までに横6・1メートルほどまで描き進んだ。 【写真】戸隠山の麓の牧場でのんびり過ごす牛たち
田窪さんは愛媛県生まれ。美術家として世界を股にかけて活躍する傍ら、しなの鉄道北しなの線牟礼駅(飯綱町)の待合室や、飯山市の洋菓子店の絵を描くなど信州でも活動してきた。 教会や神社の壁画を手がけた経験があり、寺の壁画も描きたい―との田窪さんの思いに行善寺が応えた。田窪さんは3月中旬に信濃町を取材し、町を代表する黒姫山や周囲の山々を描く構図を決定。「妙高・黒姫・戸隠図」と名付けた。水墨画に初めて挑んだ田窪さんは「イメージ通りにできた。絵の勢いを見てほしい」と手応えを口にした。 同寺の白鳥勲住職(63)は「より多くの人にふるさとの風景に触れてほしい」とし、原則毎日午前6時~午後5時に制作中の絵を一般公開する。