契約社員でも「大手企業」で働けるなら、中小企業の正社員よりも良いですか? 働きたい会社があるのですが、「契約社員」のみ募集とのことでした
雇用形態はさまざまありますが、一般的には正社員として働くのが良いという声が多く聞かれます。一方で、契約社員など非正規社員として働く人生を選ぶ人も少なくはありません。 重要なのは、双方のメリットとデメリットを比較しつつ、自分の価値観や人生設計などと照らし合わせたうえで選択することです。ここでは、大手企業の契約社員と中小企業の正社員の、それぞれのメリットとデメリットをみてみましょう。
大手企業の契約社員として働くメリットとデメリット
まずは、大手企業の契約社員として働くメリットとデメリットをみていきます。 ・メリット まずは、年収が高くなる可能性があります。厚生労働省の「令和4年賃金構造基本統計調査」の結果によると、中小企業の正社員の平均月給は29~32万円ほどです。一方、大企業に勤める正社員以外の平均月給は22万8000円ほどとなっています。これだけみると、中小企業の正社員のほうが月給は多くなるでしょう。 しかし、大企業では契約社員にもボーナスが支給されるケースも少なくありません。中小企業の正社員でもボーナス支給のない会社であるなら、勤め先によっては、大手企業の契約社員のほうが収入は上回る可能性もあります。 同様に、契約社員でも大手企業の場合には福利厚生が充実しているところも多いです。業務内容も担当領域が固定されていたり、正社員よりも責任の範囲が限定されていたりするのが一般的です。残業や休日も正社員と比べると融通がききやすい点もメリットとなります。大手企業での勤務といった職歴もつき、社内で人脈も築ければ、その後のキャリアにも良い影響を及ぼすでしょう。 ・デメリット 契約社員は勤務期間が決まっているため、いつまでもそのままの雇用形態で働き続けることはできません。契約更新をしても、同じ企業で働けるのは通算で5年間です。5年以内に無期労働契約に転換しなければ、新たな働き先を見つける必要が生じます。 契約社員のままでは大手企業に勤めていても一般的に昇格はなく、多様な業務も経験できないでしょう。単に契約社員として大手企業で働いているだけではキャリアが停滞しかねません。