五輪オーバーエイジは必要か?(2) 2016年リオ・手倉森誠は「ハリル監督から『いいチョイス』と言われたが...」
【リオ五輪世代は次々とワールドカップへ】 現地ブラジル入りして最終調整をしている間も、チームは予期せぬ事態に見舞われる。スイス1部のヤングボーイズに所属する久保裕也が「FWにケガ人が続出した」との理由で合流できなくなってしまうのだ。手倉森監督は興梠と久保の同時起用に伴うオプションを練っていたが、直前で書き換えを迫られたのだった。 アジア予選突破後は想定外の連続だったチームは、グループステージを1勝1分1敗の3位で終えた。目標としたメダルには届かなかったものの、1996年以降の五輪チームでは最多の7ゴールを奪った。ベスト8入りしたシドニー大会よりも、4強入りしたロンドン大会よりも多くの得点を決めた。 「慎三が南野拓実、浅野拓磨、中島翔哉、矢島慎也といった選手たちを牽引してくれた。ノックアウトステージには勝ち上がれなかったけれど、3位になったナイジェリアから4点取ったのは我々だけで、コロンビアからも2点取った。世界相手に地上戦でしっかり崩せたという自信が、リオ五輪後の日本代表入りにつながっていったと思う」 2018年のロシアワールドカップには、GK中村航輔、DF植田直通、MF遠藤航、MF大島僚太の4人が選出された。ワールドカップアジア最終予選で貴重な得点を決めたMF井手口陽介とFW浅野拓磨は、バックアップメンバーに選出された。 2022年のカタールワールドカップにも、リオ五輪世代が5人選出された。遠藤、南野、浅野、伊東純也、鎌田大地である。伊東と鎌田も、手倉森監督のもとでプレーした経験を持つ。彼らは2026年の北中米ワールドカップを目指すチームにも、引き続き招集されている。 「リオ五輪の段階で遠藤や浅野が日本代表に選ばれていたけど、五輪を経て日本代表を目指す選手たちには、代表経験のある選手と一緒にプレーするのは間違いなく刺激になるもの。リオ五輪で求めていた結果は残せなかったけれど、オーバーエイジを加えたチーム編成で、その後につながる試合ができたと思います」
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