連続テレビ小説「おむすび」制作統括・宇佐川隆史「ギャル史をスタッフ一同、大真面目に勉強しました」
連続テレビ小説「おむすび」は、食と人情の街、福岡・神戸・大阪を舞台に、日本の朝に元気と笑顔を届けるオリジナル作品である“朝ドラ”第111作。平成時代のギャル・米田結(橋本環奈)が人々の健康を支える栄養士となり、現代人が抱える問題を、食の知識とコミュニケーション能力で解決しながら、目には見えない大切なものを次々と結んでいく“平成青春グラフィティ”だ。今回は、制作統括の宇佐川隆史氏にインタビューを敢行した。
――第1週の家族のシーンでは、松平健さんの演じる結の祖父・永吉さんのキャラが強かったですが、起用の狙いがあれば教えてください。 「朝ドラは、全スタッフと出演者が『皆さんの朝を元気に楽しくしたい』と思っているんです。ストレートに元気を伝えたいと思った時に、第1候補として浮かんだのが松平さんでした。福岡ソフトバンクホークスの法被を着た松平さんを想像した時に、スタッフみんなが笑顔になって、これ以上の元気はないなと。ここまでのコミカルな役は初めてだそうですが、現場でも楽しく演じてらっしゃって、おかげで家族の役の皆さんの絆も深まっていると思っています。セッティング中に裏側をのぞいたら、皆さんが健康体操を一緒にやっていました。本物の家族みたいで、キャスティングがこういう形になって良かったなと思いました」 ――平成を舞台に選んだ意図と、宇佐川さんにとっての平成を教えてください。 「経済の専門家が、平成は失われた30年で、それが今の不安な状況につながっているというようなことを言っていたんですけど、私たちの見解としては『そうは言っても、なんだかんだ楽しかったし、頑張ってきたよね』と。平成を描くことで、“だから今も大丈夫、頑張っていこうよ”というストレートなメッセージを届けたいと思ったんです。物語がスタートするのは2004年で、平成のボリュームゾーンといわれる1990年代を描けばいいんじゃないかと思われるかもしれないですが、特別な時代じゃない平成を描くことに意味があると思って。無理に平成をいい時代に見せたいわけではないけれど、生きた証を見せたいという思いです。この時代を選んだ意図は全て今につながって、元気づけるために選びました」