英保守党の新党首選出 強硬派の44歳、両親はナイジェリア出身
英保守党は2日、新しい党首にケミ・ベーデノック氏(44)を選んだと発表した。党員が先月10~31日に投票し、決まった。スナク前首相の後任として、7月の総選挙で歴史的大敗を喫した党の立て直しを図る。 ベーデノック氏は選出直後、「第一の責務は、労働党政権に責任を持たせること。第二に、英国民に訴える公約と実行の道筋を明確化することだ」と党員に向けて演説。「保守党はこの国の成功に欠かせないが、過ちを犯した事実に対し実直にならなければならない」と「刷新」を強調した。 ベーデノック氏は1980年、ナイジェリア出身の両親のもと、ロンドンで生まれた。黒人としては初めて、英国の主要政党を率いることになる。サセックス大でコンピューターシステム工学、ロンドン大バークベック校で法律の学位を取得し、銀行やメディアでキャリアを積んだ。 ロンドン議会で議員を務めた後、2017年の総選挙で初当選を果たした。ビジネス・通商相や女性・平等担当相を歴任し、現在3期目。「影の内閣」では住宅・コミュニティー・地方自治相を任されている。 中道右派の保守党内でも「強硬派」「党内右派」として知られる。英国で大きな課題になっている移民については「(受け入れにあたって)すべての文化が等しく妥当であるわけではない」と述べ、英国の移民政策に影響する欧州人権条約からの離脱も選択肢として検討する姿勢を見せる。
朝日新聞社