阪神・伊藤将司、左封じのシュート習得意欲「左に対して外ばかりだと…」
阪神秋季キャンプ(8日、高知・安芸)伊藤将司投手(28)がブルペン投球を行い、新球のシュート習得に意欲を示した。今季は左打者との対戦で苦しみ、成績も不本意な形で終わった。先発ローテーションの一角に返り咲くため、反省も踏まえて取り組む。 一球一球じっくりと、指先に感覚を染み込ませるように腕を振った。伊藤将がブルペンで繰り返したのは、シュート。復活に向けて、新球の習得に励んだ。 「遊び半分で、という感じですかね。自分にとってはすごくいい時間で、大事なブルペンだったかな、と思う」 栄枝のミットをめがけて投じた50球のうち、シュートは10球程度。左打席に打者を立たせて感触を確かめた。過去にも習得にチャレンジしたことはあった球種だが、「使えるほどではなかった」とマスターには至らず。安芸の地で再挑戦の道をたどっている。 先発左腕として新人年の2021年から10勝→9勝→10勝と結果を残し続けてきたが、今季は18試合登板で4勝5敗、防御率4・62。2軍降格を3度も経験する悔しいシーズンとなった。苦しんだ要因の一つが対左打者。被打率は右の・288に対して・318だった。 この苦手克服にも、左打者の内角を突くシュートの完全習得は目指すところだ。「左に対して外(角)ばかりだとやっぱりしんどくなる。そこをうまくできたら」。反省があるからこそ、武器にできれば分の悪さの解消にも大きな効果が見込める。持ち球の一つにはツーシームもあるが「もう少しスピードがある、食い込ませる球種があれば(幅が)どんどん広がる」。不本意な成績に終わったシーズンから復活を果たすための大きな鍵を握りそうだ。「すごく試せる期間なので、やっていけたらいいなと思います」。実力者でありながら、若手に負けじと汗を流す安芸での秋。輝きを取り戻すために腕を磨く。(須藤佳裕)