イチロー、朝食は「トーストとスープ」で“朝カレー説”否定 現役時代よりハードなマシントレで始まる愛犬との日常【独占密着】
メジャーのスーパースターも教えを請う
イチローは2001年にマリナーズでメジャーリーグデビューを果たした。当初、現地には活躍を疑問視する声もあったが、芸術とも言えるスーパープレーに、前人未到の記録の数々。加えて、礼節を欠かさない振る舞いが、アメリカに、日本野球への驚きと尊敬をもたらした。 インストラクターとして、イチローが目をかけている選手がいる。コーチではないので、細かな技術の指導はしない。その代わり、練習では毎回、キャッチボールに付き合っていた。 メジャーリーグのスーパースター、フリオ・ロドリゲス(23)は、子どもの頃、イチローのバッティングを真似て遊んでいたという。イチローは、野球の基本を見せて、選手に自ら考えることを促している。 ロドリゲス:どうすればイチローのように世界のトップ選手になれるか聞いたことがある。“自分を見失うな”とアドバイスをしてくれた。周りの意見は変わるかもしれないが自分自身の評価は変えるなと。 試合前の客席には、イチロー目当てのファンがいた。 ファン:偉大な選手の一人として語り継がれるだろう。シアトルだけじゃなく世界中にね。 選手も、ファンも、イチローにはフィールドにいてほしいと思っている。一方、本人も、野球ができる環境はありがたい。特別な肩書きは、まさにウィンウィンの関係から生まれた。 イチロー:僕が好きなのは選手側でもあるし、監督・コーチ側でもあるっていうか。両方からいろんな話を聞けるんで、その立場は結構面白いなと。どっちかだったらどっちかの話しかね、入ってこないし。間にいると言えばいるんで、それは面白いところ。
愛犬2匹の名前は自身と妻の名前から
自宅へ帰ると、チャーミングな横顔が覗いた。飼っている芝犬は、あの一弓と血縁にあたる。レジェンドが、たちまち、子煩悩なパパに変わった。 イチロー:こっちが天朗(弟)です。天朗は抱っこされるのが好きみたいで。二人共ね、二人っていうか2匹ともね、人懐っこいんですよ。すごく人懐っこい。 これはお姉ちゃん。姫弓です。「姫」に「弓」、「弓」は妻(弓子さん)の「弓」なんですけど。大学だと多分慶応大学出身だと思います。 記者:奥様と一緒じゃないですか。 イチロー:おてんばだけど全部わかっていて、賢いですね、姫弓は。 記者:今は家では何をしていることが多いですか? イチロー:トレーニング(笑) 食事も娯楽も、これと決めたら繰り返す。 イチロー:僕はもう同じ作品を何度も見られるんですよ面白いものを。なんだかんだで傑作なのは、「星の王子ニューヨークへ行く」ですね。傑作ですね。最初から最後までずっとおもしろいですもん。 記者:何回ぐらい見た? イチロー:数えらんないでしょ(笑) 今、夢中なのは、日本の高校野球だ。ライブ配信を見るのが、夏の夜の楽しみ。自宅のリビングでは夏の甲子園、智弁和歌山対霞ヶ浦の試合(4対5で智辯和歌山が敗戦)を観戦していた。 イチロー:(8回に智弁和歌山が同点に追いつく)おぉ・・・!(ガッツポーズして)やったよ!そんなことある!?うお~~~ 熱戦が終わったのは、シアトルの深夜0時を過ぎころ。イチローは智弁和歌山高校のファンだ。きっかけは、応援団の熱量に惹かれたこと。やがて人づてに関係者と知り合い、現役を引退後の2020年に選手の指導も行った。これがきっかけで、野球指導は他の高校にも広がっている。 2020年に高校球児に初めて指導をして以来、訪問した学校は5年間で10校にのぼる。指導を受けた生徒たちからもらった感謝の手紙は、封筒すらも大切にとってある。 イチロー:(開封は)ハサミで必ずこうやって切るんです。だから無造作に切ってあるものは一つもないはずです。僕はずっと持っておきたいし、きれいというか丁寧に。別に大人を雑にってわけじゃないんだけど、子供はやっぱり、より(丁寧に)ね。