「3年連続最下位」の中日にも“明るい材料”はある 球団関係者は「チーム打率3位で得点数最下位は首脳陣の問題」とピシャリ
“強い中日”はすっかり過去の話に
この話にもあるように、先発出場した試合を調べると、「4番・細川」が最も多く86試合、続いて「1番・岡林」の64試合が続いている。 中日とチーム打率と本塁打数が近い阪神は、得点数では112点も中日を上回っている。「1番・近本光司」、「2番・中野拓夢」、「3番・森下翔太」が揃って100試合以上、「4番・大山悠輔」も90試合に達している。このあたりに、得点力の差が出た要因なのかもしれない。 ただ、そういう意味では、首脳陣が大きく入れ替わった点はプラス材料だろう。新たに就任した井上一樹監督は、今年二軍監督として、昨年ウエスタン・リーグでダントツの最下位だったチームを2位に押し上げた。もちろん、一軍と二軍では求められる役割や環境が異なるため、単純な比較はできないが、チームを浮上させた経験は大いに期待できる。 中日が最後にクライマックス・シリーズに出場したのは2013年であり、既に10年以上が経過しており(3位となった2020年はコロナ禍でクライマックス・シリーズは中止)、“強い中日”はすっかり過去の話。ここから再びチームを上昇させることができるのか。井上監督と新たな首脳陣の手腕に注目したい。 西尾典文(にしお・のりふみ) 野球ライター。愛知県出身。1979年生まれ。筑波大学大学院で野球の動作解析について研究。主に高校野球、大学野球、社会人野球を中心に年間300試合以上を現場で取材し、執筆活動を行う。ドラフト情報を研究する団体「プロアマ野球研究所(PABBlab)」主任研究員。 デイリー新潮編集部
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