債券は上昇か、米長期金利の流れ-米CPIやあすの20年債入札警戒も
(ブルームバーグ): 15日の債券相場は上昇が予想されている。米国の4月の生産者物価指数(PPI)で3月分が下方修正されたことを受けて長期金利が低下した流れを引き継ぐ。半面、今晩に米消費者物価指数(CPI)発表を控えるほか、16日の20年国債入札に向けた売りは相場の重しになりそうだ。
三井住友トラスト・アセットマネジメントの稲留克俊シニアストラテジストは、米長期金利が低下し、先物夜間取引は強含みで推移しているため、買い先行で始まりその後はもみ合いと予想する。「きのう10年金利以外の年限は10年超ぶりの高水準を更新しており、押し目買いが期待されるものの、買い入れオペ減額や追加利上げ観測があり積極的に買う動きにはなりにくい」とみている。
同氏の新発10年物国債利回りの予想レンジは0.95~0.965%(14日は0.96%で終了)、先物中心限月6月物は143円80銭~144円00銭(同143円84銭)。
米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長は14日の討論会で利下げの条件であるインフレが落ち着くまで「忍耐強くなる必要がある」と述べた。米PPIについては「強弱入り交じっている」と指摘した。
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先物夜間取引で6月物は14日の日中取引終値比8銭高の143円92銭で終えた。
財務省は16日に20年利付国債入札を実施する。10日に行われた同じ超長期ゾーンの30年国債入札が低調な結果となったことや、日銀買い入れオペの減額観測が強まったことから警戒感が出ている。
三井住友トラスト・アセットの稲留氏は、「市場では米CPIと日本の20年国債入札が注目されており、ともに買い手控え要因になりそうだ」と述べた。
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Hidenori Yamanaka