知って得する香川県の豆知識を紹介する「さぬきのプラス」２０２４年は、辰年です。「辰」といえば「龍」のことですが、今回は、この「龍」と香川県との意外な関係に迫ります。 （河原大記者） 「橋の欄干に施設の前、さらにはため池の横、香川県ではこのような龍のオブジェをよく目にします。そこにはこの地域ならではのある事情が深く関係しているのです」 香川県内で最も高い場所にある神社、まんのう町の大川神社です。この神社には古くから次のような言い伝えが残されています。 「聖武天皇時代の大干ばつの際、国司が雨乞いの祈願をすると１匹のヘビが「龍」になり雲を呼び大雨を降らせた」 この言い伝えに由来する雨乞いの神事、「大川念仏踊」は、今でも毎年７月に奉納されています。 古くから深刻な「水不足」に悩まされてきた香川県。大川神社のような「龍」が雨をもたらしたという伝説は、県内各地に残されています。そして、「龍」に雨を願う神事も生活の一部として脈々と引き継がれてきました。 ■ユネスコ文化遺産「綾子踊」 ■仁尾竜まつり 讃岐の人たちは、「水不足」というこの地域ならではの事情で「龍」と深く結びついていたのです。 （香川県教委生涯学習・文化財課　佐々木涼成さん） 「空海が雨乞いをして龍王を呼び出して雨を降らせたという伝説が広まっていることが一つと、香川は水不足に悩まされた地域なので、その２つが理由となって龍に祈る風習が出来上がっていった。龍との結びつきは香川ならではのもの」 毎年、かんがいの時期に県内の田畑を潤す香川用水。その記念公園にも２体の巨大な「龍」が展示されています。 ２０２４年は「辰年」。「龍」の神通力で「水不足」に悩まされることのない１年になることを願いたいものです。