ロケ地名古屋の魅力とは? FC関係者に聞くロケ事情
現在公開中の「劇場版 MOZU」。過激なアクションシーンが話題の作品だが、その一部は名古屋市内で撮影されている。東京からのアクセスの良さに加えて、新旧の多彩な景観を兼ね備えていることから、ロケ地としても注目を集める名古屋だが、どういった点が魅力なのか? 名古屋市のフィルムコミッション(FC)関係者に近年のロケ事情などを聞いてみた。
ロケ地としての名古屋はどんな点で支持?
FCは映画やドラマなどのロケーション撮影を誘致・支援することを目的とした非営利の組織で、全国各地に100以上が設立されている。名古屋市では2001年になごや・ロケーション・ナビが開設され、撮影支援を行なってきた。同組織の専属スタッフとして、名古屋の魅力をPRしている三宅友里さんが、ロケ地・名古屋の魅力を語った。 ──ロケの問い合わせや実施は年間どれくらいありますか? 三宅:年により変動はありますが、ここ数年では年に100~200件程度の問い合わせがあり、ロケ実績が70~90件程度です。1件でも大作となれば準備も撮影も長期に渡ることがありますので、件数だけでは計れない部分も多いです。「劇場版 MOZU」の撮影については、実際にロケが行なわれるまで約半年の準備期間がありました。 ──ロケ地としての名古屋はどんな点で支持されているのでしょうか? 三宅:まず、歴史的建造物と洗練された都市景観が比較的近くにある点です。昭和初期に建てられ、重要文化財にも指定されている名古屋市役所。そこから地下鉄で2駅程度の距離には、幻想的なオブジェを備えたオアシス21という都市公園があるなど、幅広いシーンの撮影に対応することができます。 また、東京と似た街並みを再現しやすいうえに、多忙なスタッフも新幹線を使って短時間で移動できるという交通アクセスも利点となっています。近ごろは、人気の高いご当地グルメ名古屋めしの多彩さも魅力になっていますね。
エキストラ、全国各地から駆けつける人も
──「劇場版 MOZU」のカーアクションは、市内の官庁街で撮影されたとか? 三宅:はい、名古屋市中区三の丸という官庁街の真ん中で、今年のゴールデンウィークに撮影が行なわれました。名古屋市役所や愛知県庁など地域の重要な施設が集まっていますが、土・日・祝日には人や車の通りが極端に少なくなること、周りに民家が少ないことなどから、道路を封鎖しての撮影が実現しやすい場所になっています。 とはいえ、撮影に対しての特別な対応は多岐に渡りますので、自治体や警察など関係者の方の協力が欠かせません。今回は深夜の撮影に備えて、県職員の方が建物内に待機してくださったり、大量の雨を降らせるための水を愛知県からご提供頂いたりといった協力もありました。 ──エキストラも多数参加されたそうですね。 三宅:名古屋駅前の高層ビル、ミッドランド スクエアでの撮影では、約300人のエキストラの方が協力してくださいました。今回はTBSさんを通じての募集でしたが、私どもの組織でも約8300人の方にエキストラ登録をして頂いており、大規模な撮影にも対応可能です。撮影に参加したいからと、全国各地から駆けつける方もいらっしゃいますよ。