【池上彰氏に聞く】10億人が参加!盛り上がる「インド総選挙」...候補者名だけじゃなく『シンボル』を選んで投票!? 紅茶売りから上り詰めた『モディ首相』人気の秘密も解説
―――一方、日本を売りにしてインドに進出したのが、カレーハウスCoCo壱番屋です。ある種“逆輸入カレー”ということで、広報によりますと、開店当時はほとんどが日本人客でしたが、現在は7割が現地の方ということです。日本のカレーがインドでどのように受け入れられたのでしょうか? 「ついに2号店もオープンしたということなんですが、私たちはこれ『カレー』だと思うでしょ?インドの人たちは『日本食』だと思っている。ココイチのカレーは極めて日本的なカレーであって、インドのカレーとは違うわけですよね。(インドは)一つ一つ香辛料で作っていくわけですから。ココイチはまさに日本食として人気ということなんです」
日本のインドとの付き合い方は?
―――最後に、インドと世界、そして日本、どのように考えていけばいいのか。モディ首相の戦略はどの国とも仲良くの「全方位外交」、でもその心は「インドファースト」ということです。日本はインドとどう付き合っていけばいいのでしょうか? 「インドにしてみれば当たり前ですけど、インドファーストですよね。だから、日本と付き合うことによってインドにとってもメリットがありますよっていうことをどこまでアピールできるか、ということです。モディ首相はしたたかですよ。アメリカのバイデン大統領とも会っているし、中国の習近平国家主席ともロシアのプーチン大統領とも会っている。ロシアがウクライナに軍事侵攻して、アメリカなどが石油・天然ガスをロシアから買わないようになったら、その足元を見て、インドはロシアから非常に安く石油や天然ガスを買っているんですよ。あるいはトランプ前大統領とも付き合っていた。実はアメリカでは今、インド系のアメリカ人が増えているんですよ。だからアメリカ大統領選挙でもアメリカのインド系の有権者を意識せざるを得ないんですね。インドは非常に多種多様な人たちがいるわけです。インドについては、なんとなくのイメージ、ステレオタイプなものの見方ではなく、実にいろんな人たちがいるんだよと、そこを理解していくということが大切だと思いますね」 (2024年5月23日放送 MBSテレビ「よんチャンTV」より)