超売り手市場の高卒就職 その裏で3年後離職率は4割近く ミスマッチを減らす体験型就職イベント【広島発】
求人票だけで就職先を決める
このように就活生の「体験」を重視するのは、会社や仕事の内容を知ってもらいたいという企業サイドの思いのほかに、学校や生徒側にも大きな理由がある。 日本ウェルネス高校・広島キャンパス・細田丈博教諭: ある程度こちらでピックアップした求人票を生徒たちに見せるという形でやっています。 高校生の就職活動は、夏休みが終わってから始まる期間の短さに加えて、大学生の就活と大きく違って、求人票の段階で絞り込んで行うため、学校にも生徒にも、企業との出会いの機会が少ないことが、大きな課題だった。 舟入商業高等専門学校・新納優子先生: 何社も見学に行く時間的な余裕はないので、1社見学して、その会社を受けたらおしまいという生徒も多い。 つまり、時間的にも、求人票の数的にも、多くの企業の中から選ぶ余裕がないということだ。
3年間で10人に4人近くがやめる
厚生労働省が発表したデータによると、2020年3月に卒業、就職した高校生の離職率は、1年目が15.1%。その後、毎年約10%、3年間では37%、10人に4人近くが辞めている。 舟入商業高等専門学校・新納優子先生: やっぱり、働いてみて思っていたのと違う、こんな仕事だと思わなかったということはよくあります。 体験型就活イベントには、このミスマッチを解決しようという狙いがある。 イベントを企画したジンジブ・岡村大河広島支店長: 今まで多くの企業を比較できず、求人票だけでしか就職先を見つけることができなかった生徒からすると、より企業や仕事の内容がわかった上で入社を決めることで、定着率が高くなることにつながっていくと思う。 より多くの企業が仕事内容をリアルに紹介し、生徒が求人票には書かれていない情報を知ることが、就職のミスマッチを防ぐことになる。 舟入商業高等専門学校・新納優子先生: こういうイベントが増えてくれれば、よいと思う。学校ができないことをしてくれるので、とてもありがたい。 参加した生徒: 地域に関われる仕事がいいかなと思う。細かいところまでは分からないのですけど。 人手不足を背景に、今、高校生の就活が、徐々に変わり始めている。大学生と全く同じでなくても、高校生が時間的に余裕をもって、多くの企業や団体の中から就職先を選べる体制やシステムの構築が求められている。 (テレビ新広島)
テレビ新広島