箱根路で往路トップなら総合優勝の確率は「68%」…逆転優勝の歴史を振り返る
第101回東京箱根間往復大学駅伝競走(箱根駅伝)は1月2、3日に行われる。大会の長い歴史を見れば、往路で優勝した大学が総合優勝を飾る確率が高いが、劇的な「復路で逆転」の歴史をひもといてみた。
初日の往路で優勝したチームは、前回までの100大会中、68大会で総合優勝を飾っている。往路でトップに立てば、高い確率でそのまま総合優勝していることになる。最近では98回大会以来、往路を制した学校が3大会連続で総合優勝を飾っている。
では、復路での逆転優勝はどうか。97回大会では、往路3位の駒沢大が2分21秒差で芦ノ湖をスタートすると、最終10区で創価大を抜き去った。この年、往路優勝は創価大、復路優勝は青山学院大で、駒沢大は往路3位、復路2位からの総合優勝だった。
往路で差をつけられての逆転優勝で最大タイム差をはね返したのは、第1回大会(1920年)の東京高等師範(現・筑波大)。往路で優勝した明治大とは8分27秒の大差があったが復路で逆転、2位の明治大に25秒差をつけて総合優勝を飾った。
大会草創期とはコース事情などが大きく違うことから単純に比較はできないが、第47回大会(1971年)の日本体育大は、往路優勝の日本大に7分55秒の大差をつけられて4位だったが、6区、7区で連続区間賞を出して勢いをつけると復路で逆転して総合優勝。2位・順天堂大との総合タイム差はわずか23秒差だった。3番目のタイム差逆転は第36回大会(1960年)の中央大で、日本大との7分41秒差をひっくり返した。
タイム差ではなく、順位に目を向けてみると、第82回大会(2006年)で、亜細亜大はトップから2分51秒差の6位で往路を終えた。ところが復路では、往路優勝の順天堂大をはじめ、上位校が後退。亜細亜大は復路2位の走りでゴールテープを切り、初優勝を果たした。往路終了時につけられた順位差としては、この年の亜細亜大が史上最大の逆転劇となっている。
第101回大会で今季の「大学駅伝三冠」がかかる国学院大は選手層に自信を持ち、前田康弘監督は「私たちは復路勝負。つなぎ区間で勝負をかけるのが楽しみ」と話す。その一方で連覇をねらう青山学院大の原晋監督は「2分以上の差をつけて山決戦に臨み、復路はピクニックラン(独走)といきたい」と自信たっぷりに語る。各校の思惑が絡み合い、最後まで目の離せない大会になりそうだ。(デジタル編集部)