株式投資の王道である「成長・配当・割安」に着目した厳選投資で安定した高パフォーマンスを実現するインベスコ「世界のベスト」の運用責任者に聞く
――アネスさんは、2020年にファンドの責任者に就きましたが、このファンドのパフォーマンスが優れて良くなったのは、過去3年くらいの成績です。アネスさんが責任者に就任して何か変えたのですか?
いろいろと対応して「世界のベストに投資する」というコンセプトをより強化することができたと思っています。
たとえばリスク管理についてお話ししますと、パフォーマンスに影響を与えるいくつかの要素のウェイトを調整し、要素の1つである銘柄選択については、個別銘柄レベルおよびポートフォリオ全体で見たレベルでのリスク分析を一段と重視する対応をとっています。その結果、銘柄選択の効果がよりストレートに運用成績に反映されるようになり、成果として表れています。
また、メンバーの一人ひとりに銘柄を選ぶ際の癖があることがわかっていましたので、それぞれの癖を矯正するためのツールを開発し、それぞれのメンバーがどのような市場局面でも持っている能力を発揮しやすくなるようにもしました。投資アイデアをモデル化してシミュレーションするツールの開発など、運用プロセスを強化するための取り組みをいろいろと実行に移しました。
それらの結果として、2022年のバリュー相場でも2023年のグロース相場でも市場平均を上回るパフォーマンスを残しています。運用プロセス強化の取り組みが間違いではなかったと思っています。
――「世界のベスト」は、様々な投資アイデアの中からベストと考えるポートフォリオをつくる戦略ですが、当面の市場を展望して、有望な投資テーマとして注目している分野はありますか?
ボトムアップアプローチで、市場が見過ごしている魅力的な銘柄を発見してポートフォリオに組み入れていくという運用ですから、特に、投資テーマなどを設定して戦略をたててはいません。ただ、現状で有望な投資対象が見つけやすいセクターをあげると、半導体、ヘルスケア、公益、生活必需品などにチャンスは多いと思います。また、中小型株は大型株と比較してチャンスが多いと思います。中小型株は過去50年で最も割安な水準にあります。これから水準訂正が期待できると思います。